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Posted by ミリタリーブログ at

2023年12月17日

80年代中盤 米陸軍装備 2 装備編



 前回は服装について書きましたが、今回は80年代中盤の米軍装備について書きます。

 80年代中盤といっても被服からヘルメットに至るまでの過渡期なので部隊によって装備が結構異なります。というわけでモチーフになる実際の部隊を決めたほうが方向性が定まっていい感じになります。今回は85年、オリエントシールド '85に参加していた第25歩兵師団をモデルに装備を組みました。


・頭部装備



 GROUND TROOPS HELMETことGTHです。チンストラップはドットボタンで開閉ができるようになった末期のタイプ(NSN: 8470-00-030-8003)を装着しています。



 ヘルメットバンドはキャッツアイが縫い付けられているタイプです。このヘルメットバンドもグリーンの色味で種類があるので注意が必要です。簡単な見分け方としては、キャッツアイを縫い付けている糸が白色であれば古く、緑の場合は比較的新しいヘルメットバンドになります。

 ヘルメットカバーはウッドランドの物を使用しましたが、当時は所謂LCリーフのヘルメットカバーも使用されている写真を見かけますね。





 こちらがLCリーフのヘルメットカバーです。見分け方としてはLCリーフの方が色が淡く、パターンも細かいです。

・装備
 装備はLC-1/2のベルトキットとアリスパックの組み合わせですね。



 ベルトキットです。

 ・ LC-1 マガジンポーチ
 ・ LC-1 サスペンダー
 ・ LC-2 ピストルベルト
 ・ LC-2 キャンティーンカバー
 ・ M8A1 スキャバード & M7バヨネット(プラスチック/ゴム レプリカ)
 ・ エントレンチングツール

 マガジンポーチ、コンパスポーチ、サスペンダー、ピストルベルト、キャンティーンカバーのいずれもよく見かける一般的なLC装備ですが、注意点として80年代と90年代で色味が変更になる点があります。90年代以前はOG106という黄色が強い緑カラーで生産されていたLC装備ですが、90年代以降はCG483という爽やかな緑色に変更されています。80年代装備であればOG106でそろえたいところですね。

 また、銃剣の鞘(M8A1 スキャバード)は実物ですが、M7バヨネットはアリイの刀身がゴムでできているレプリカです。ヤフオクやメルカリでもこの組み合わせで出品されている個体をたまに見かけますね。



 コンパスポーチの中には圧縮包帯を入れています。経年劣化で表面のビニールが破れてしまうのが悩みのタネです。



 その他、マガジンポーチにはマガジンが3個とグレネードが両サイドに1個ずつの計2個、キャンティーンカバーには1QTキャンティーン及びキャンティーンカップ、スタンド、Eツールカバーには三つ折りのEツールが収納可能です。キャンティーンの中身やマガジンの重さまで再現するとなかなかの重量になります。





 背嚢はアリスパックです。8,90年代の米軍装備と言えばコレという人も多いのではないでしょうか。30年近く製造されたので各パーツにバリエーションがありますが、80年代中盤で見かける組み合わせで組み上げました。



 フレームは光沢のあるOD、ショルダーは厚みが増してクイックリリースが両方に搭載された改良型です。



 腰のパッドも厚みとサイズが増し、ピストルベルトと同系のクイックリリース式ベルトと一体化した改良型を使用しました。

・その他


 後はM17A1ガスマスクも装備します。ピストルベルトとは別に単体で腰にストラップを巻いて、太ももに固定します。



 M17ガスマスクの改良型です。ガスマスク用の蓋を付けたキャンティーンから直接水を飲めるストローが装備されています。

 これら上記の装備を組み合わせ、DNA M16A1を装備するとこんな感じです。



 ウッドランドとLC装備の組み合わせで80年代の米軍感があっていい感じなのではないでしょうか。





 2023年のMVGにこの装備で参加しました。

 という訳で80年代の米軍装備でした。今回はここらへんで終わります。
  


Posted by スプリング at 00:08Comments(0)装備考察小物考察

2023年02月19日

米軍 イヤープラグケース 塗装




 今回は米軍の旧型イヤープラグケースについてです。



 80年代の第25歩兵師団装備を集めていますが、当時の写真を見ていると装備しているイヤープラグケースの色が黒色ということに気が付きました。

 で、このイヤープラグケースが欲しくなったので探してみたのですが、国内で黒色のイヤープラグケースがなかなか見つかりません。Ebayだと見つかりましたが、どうやら透明のイヤープラグケースを黒色に塗装しているようでした。



 こちら85年の第25歩兵師団の写真ですが、塗装が落ちて透明になってきているのがわかりますね。

 というわけで、今回は手持ちの透明イヤープラグケースを黒色に塗装してみようと思います。



 イヤープラグケースにも種類があり、ラベルの有無など以外で大きく分けると、チェーンを固定する両端が鋲みたいになっているもの(左)とボールチェーンのコネクターを真っ二つにして埋め込んだもの(右)があります。 蓋が鋲で固定されている方はベトナム戦争装備でお馴染みですね。





 写真を見る限りどちらも使われていたみたいなので、端部がボールチェーンのコネクターになっている方のイヤープラグケースを塗っていこうと思います。



 先程の85年の写真では内部の耳栓で擦れそうな中央部分が塗装が剥げて透明になっていました。というわけで本体は内側を塗ります。蓋に関しては内面を塗るとネジが潰れて閉まらなくなるので外から塗ります。

 Ebayで見かける塗装済み耳栓ケースは外から塗っているパターンと内から塗っているパターンがあったので塗りやすい方で良いのかもしれません。ネタバレするとスプレーで内側から塗ると全然上手く塗れなかったので外から塗るほうが早いと思います。



 スプレーは手元にあった米軍放出品のクライロンを使います。



 プラモ用の持ち手で保持しながらスプレーして乾燥を繰り返します。内側から塗ると底の部分が奥まっているのでスプレーだと厳しいですね。



 塗装後にマスキングテープを外した状態です。つや消しブラックですが、内側から塗装したので透明ケースの質感で艶ありブラックになっています。キレイでいいですね。





 重ね塗りを繰り返したことで内面も黒色に塗ることが出来ました。



 未塗装のイヤープラグケースと並べてみました。透明だと中の耳栓の色もあって目立ちますが、黒く塗装すると比較的目立ちにくくなった印象です。



 さて、折角なのでイヤープラグケースを使用例のようにボタンホールに取り付けていこうと思います。

 ただ、何回やっても蓋をボタンホールに通すことが出来ませんでした……。個体差とかあるのでしょうか? このままでは取り付けができないので蓋を取り外して装備しようと思います。



 端部がボールチェーンのコネクターになっているタイプであれば、埋め込んである端部を中から引っ張って引きずり出してひねることでコネクターを取り外して蓋を抜くことが可能です。




 蓋さえなくなれば難なくチェーンを通すことができます。




 ボタンホールに通した状態で蓋とコネクターを取り付ければ取り付け完了です。



 これで固定はしっかりできますが、毎回これやるの面倒なので本来はちゃんとした取り付け方があるのかもしれませんね。





 実際の使用例だとこんな感じです。当時の写真と比較してもあまり違和感なく仕上げられたのではないでしょうか?今回はここらへんで終わります。  


Posted by スプリング at 16:17Comments(0)装備考察小物考察

2022年09月17日

オールドスクール装備な腕時計 2



 前回の記事では現在でも新品で手に入る90年代前後に発売されたCASIOの現行機種について書きましたが、『どうせなら当時に生産された腕時計を着用したい』と思うコレクターも多いと思います。

 今回は80年代に実際に使用されていた今でも入手できそうな時計を特定したいと思います。

 前回も書きましたが、樹脂製のベルトやベゼルがあると経年劣化で砕けるため、当時品を実用したい場合は金属ベルトで樹脂を使用していない腕時計を入手できれば良さそうです。

 というわけで金属ベルトの腕時計を使用している写真を用意しました。



 1983年、ハワイで撮影された第25歩兵師団の写真です。なんとなくCASIOっぽいデザインの腕時計を使用しています。

 上下に白の印字で飛び出したボタンがないデジタル腕時計ということでB-815と特徴が一致すると判断しました。



 1982年のカタログに掲載されている古いモデルです。先程の写真の左腕部分を90度回転して拡大して比較してみます。




 各部のデザインもですが、ベルトの形状も一致しますね。B-815だと思います。

 B-815は当時3000円前後で販売されていた"B"系の腕時計です。(他にもアラームクロノグラフを備えた"A"やウォータースポーツ向け"W"など色々ありました)

 いわゆる普及機で、他のモデルに比べると元々の価格帯が低めだったからなのか、ウォータースポーツやメロディアラームのような定価を超えるレベルの高騰はしていない印象があります。というわけで今回の目的にぴったりですね。

 折角なので各部のデザインや構造を見ていきますが、その前に汚れの蓄積が凄いことになっているので清掃しました。汚すぎたので清掃前の写真はありません。

 ステンレスバンドやバックルの関節部のようなブラシが届かない箇所を洗浄するために超音波洗浄機を使用します。愛用しているのはシチズンのSWT710です。もちろん専用の洗剤も使っています。



 ただ、汚れが落ちるには落ちるのですが、微妙に残るときもあるので念のため事前に分解できる部分はすべて取り外し石鹸とブラシで洗浄した上で超音波洗浄機に投入します。




 ケースはステンレスのカバーが付いた柔らかい樹脂製でペイントも落ちかねないので超音波洗浄機には投入しませんでした。



 汚れが落ちない時があるとは書きましたが、やはり石鹸とブラシだけでは汚れは落ちきれてないようで黒いゴミが取れているのがわかりますね。



 何回か洗浄を繰り返し、洗剤を水洗いで落としたあとは十分に乾燥させます。なんとなく洗浄前より輝いてるような気がします。



 乾かしている間にケースもメンテナンスします。B-815は風防もプラです。流石に40年経つと傷が目立ちますね。プラなので根気良く研磨剤で磨きます。



 折角なのでボタンもクリーニングします。ケース側のEリングを取り外すとボタンを抜くことが可能です。防水の記載はありませんがちゃんとボタンにパッキンが仕込まれていますね。

 100m防水のカジキや200m防水のG-shockであればボタンの内側にバネが仕込まれていて複雑ですが、50m防水やそういった記載のないモデルはボタンだけがEリングが固定されているシンプルな構造です。(これが古いカシオトロンとかになるとまた構造が変わりますが……)

 ボタンが効かなくなったりボタンが動かなくなったというのはこのボタンとケースの接合部に汚れが溜まったりオイルが固着したことが原因ということも多いです。



 ボタンの汚れを除去したあとはシリコングリースを塗布して組み直し、続いて外しておいたモジュールを取り付けます。



 きっちりと収まります。今回は片側2ボタンで分かりやすいですが、左右対称4ボタンの場合は向きを間違うと上下逆になったりするので注意が必要です。



 次にシリコングリースを塗布したパッキンを設置します。



 余談ですが使用しているグリースはSEIKOのものです(左はOリング用で右は汎用)。つまりCASIOの時計をCITIZENの洗浄機で洗ってSEIKOでグリスアップしています。



 ここからは乾燥したパーツの組立です。裏蓋から取り付けていきます。古い腕時計だと蓋の裏に"H07/02/17"のように電池交換日時が描いてあったりしてエモいですよね(超音波洗浄すると消えますが……)。

 さて、わざわざ全体的に洗浄した理由ですが、放置された汚れの中で錆びている可能性があるからです。実際、この裏蓋も汚れの蓄積がひどくサビが発生していました。



 サビ自体は除去できましたが、サビの跡が鋳巣のようになっています。今回は表面上だけでしたが、進行していると普通に穴が開くし見た目も悪くなるのでキレイにするに越したことはありませんね。



 裏蓋を押し込んでベルトをバネ棒で固定します。バネ棒も放置すると錆びて分解不能になって詰むのでこまめにキレイにしたいですね。



 裏蓋は上下の爪で固定する簡易的なスナップバックです。一応パッキンはグリスアップしましたが、手を洗うときは気をつけたいですね。



 関節部の清掃のためにバラしていたコマも組み立てます。ここも汚れが溜まりやすいので放置すると錆びて最悪穴が開きます。



 最後にバックルも取り付けて完成です。



 汚れも落ち、風防も磨いたのでかなりサッパリしました。

 最後に各部を見ていきます。
 


 ケースはメッキではなく、樹脂製ケースにステンレスのカバーがついています。後ろ半分は樹脂がむき出しなのでツートンカラーになっていいですね。

 B-815の機能は非常にシンプルで時計とオートカレンダーだけです。豆球もアラームクロノグラフもタイマーも搭載されていません。





 機能がシンプルなのでボタンも片面に2つしかありません。残った2つのボタンも頭が出ないデザインなのでかなりスッキリしたデザインです。



 ボタンが飛び出たデザインの腕時計と並べてみました。やはりボタンがないとサッパリした感じになりますね。



 折角なのでラウンドケースの腕時計とも並べてみました。


 というわけでCASIOのB-815でした。G-Shockのようなごつい時計もいいですが、シンプルで小型の時計もいいですね。今回はここらへんで終わります。  


Posted by スプリング at 16:30Comments(0)装備考察小物考察CASIO

2021年02月28日

Wiley X SG-1 旧モデル考察

 Wiley XのSG-1。00年代前半の米軍でしばしば使用例を見かけるアイウェアです。



 写真は03年DESERT RESCUE XIのSEAL隊員ですが、首にゴーグル状態へ換装したSG-1を装備しています。他にも以前記事にした同年の第2歩兵師団でも使用されてましたね。



 特徴としてはレンズをクリア/スモーク(及びその他)へ交換可能である点、そしてテンプルとバンドを交換することでシューティンググラス/ゴーグルの両方に対応可能な点が挙げられます。



 それ以外にもレンズ周りにクッションがあったり、デフォルトでは鼻あてが付属してなかったりとかなりユニークなアイウェアです。




 レンズ裏のモコモコしてる部分がクッションです。凸凹してるので、一部の凸だけ切り取って通気性を良くしたりといったカスタムも可能です。


 テンプル側面には銀色のブランドロゴが取り付けられています。



 同社の旧型Saberとかだと側面ロゴが白いプリントなのですが、SG-1のような別パーツだと雰囲気がありますね。


 このSG-1は初期アフの写真でも使用例をちょくちょく見かけます。動画でも自分が度々触れている"Taliban Patrol"にそれらしい個体の使用例が登場します。35:42秒辺りですね。ゴーグルのバンドに社名らしき白文字ロゴ+艶ありボディでレンズ周りが飛び出てますしSG-1ぽいなと睨んでいます。

 (Taliban Patrolについては4039さんが非常に深く考察されています。(4039さん何度も申し訳ありません……))


 正確な発売年は不明ですが、当時の公式サイトだと01年4月を境に"新しい最先端のアイウェア"を謳い登場しているのと見るにここらへんではないかと思われます。これだと初期アフにも間に合いそうですね。日本においてはコンバットマガジン2001年10月号の広告ページにその姿があったため01年中には国内に入ってきていたようです。

 そんなSG-1ですが、以前触れたように艶有りボディと艶なしボディの2種類が存在しています。いつ頃切り替わったかについてですが、この前その件をツイッターで話しているとワイリーXの公式アカウントからリプライが飛んできました。

 なんと中の人が当時の開発に携わっており、06年に日本限定モデルとしてつや消しをリリースし08年に米軍採用品もつや消しにチェンジしたとのことでした。非常に貴重な情報です(本当にありがとうございました)。となると、08年以前の米軍装備に合わせるならやはり艶有りモデルの方が良さそうですね。



 (因みにですが、これがSG-1 ver Jです。日本向けにノーズパッドを備え、砕けやすかったフレームが改良され、色もつや消しになるなどかなりブラッシュアップされています。)



 それでは今回の本題に入っていきます。艶あり時代のSG-1についてです。



 左右共に艶あり時代の旧SG-1ですが、比較してみると微妙に外観が異なりました。左のモデルは耳あて部分が右よりも曲がっており、更には先セル先端が若干尖っています。



 テンプル部分だけを取り外しました。上が先程の画像での左の個体、下が右の個体のものです。並べるとかなり違いがあることが分かりますね。

 というわけで、今回はこの形状の異なる2つの個体について書いていこうと思います。以下、便宜上先セルが尖ってる方をカクカク個体、丸い方をラウンド個体とします。

 どちらが古いかは簡単でした。内側の印字にはっきり記載されています。



 上がカクカク個体、下がラウンド個体です。Pat pendとPat used。改良前後で特許取得してますね。特許番号で検索すると"USD467262S1"が出てきました。アメリカの意匠特許です。掲載されてる画像はSG-1そのもので、公開は02年12月でした。

 となるとカクカク個体は02年12月より前に生産されていたモデルであると考えられます。というより、特許申請時のSG-1のスケッチや02年当時の公式サイトの商品画像を見ると先セル端部は尖っているので、初期はカクカク個体だったようです。

 ただ、Ebayでラウンド個体であるにも関わらず特許申請中印字の個体を見かけたので、カクカクからラウンドへは特許取得前に改良されていたようです。



 また、テンプルについてはヒンジ付近の根本部分も微妙に構造が異なります。改良後の個体のほうが微妙に肉厚です。断面を見るとパーティングラインが異なるため、テンプルは根本部分から新規に作り直したようです。

 改良前後の個体を掛けてたり試着してみましたが、特に改良前の個体が使いにくいといった感触はありませんでした。むしろ、改良後の個体のほうがテンプルとバンドを交換する際の爪が非常に硬くスムーズな着脱が困難に感じます。改良前の個体は軽い力でテンプルが外れるので交換しやすいです。その点は改良前のほうが良いですね。

 何が良いのかといえば、これはSG-1の構造上の弱点に由来します。SG-1はテンプルの根本に爪を引っ掛けて固定する構造ですが、無理に引っ張ると容易に壊れます。余計な力が必要ではない改良前の個体のほうが交換時にハラハラせずに済んで精神的に優しいです。



 このSG-1はおでこに上げてたのを目の高さまでおろそうと引っ張ったら砕けた先代です。まあ、この弱点は現行品ではフレームの材質を変更することで改善されたそうです。


 もしも本体の不具合による改良でないとしたら、考えられる理由はANSI Z87.1の改定です。2003年になるとアメリカのJIS規格的立ち位置のANSI Z87.1(アイウェアの規格)がZ87.1-2003へ改正されました。

 そのZ87.1はレンズだけでなくフレームも検査の対象となります。そのため、新たな規格でテストを行う際にテンプルを新造したということなのかもしれません……。まあ、憶測の域を出ない話で真相は闇の中ですね。



 (余談ですが、改良により長くなったテンプルは折りたたむとレンズを直撃します。傷が付くので保管時は注意が必要だったりします。)

 他の違いといえば、改良前個体はレンズが無刻印でフレームにZ87.1の印字があるのに対し、改良後の個体はレンズにZ87+でフレームにZ87-2の印字があります。これはANSI 87.1-2003に合わせた変更だと思われます。この表記の変更がいつ頃からなのかは分かりませんが、2003年付近と思われるのでこのあたりの年代でこだわる場合は注意が必要かもしれません。



 まあ、基本的にわかりやすい違いはテンプルに集中しているので、バンドに変更してしまえば分かりませんが……。レンズの刻印も非常に小さいので遠くからではまず見えません。使用例もゴーグル状態が多いですし、ゴーグル状態で運用するのであれば、そこまで気にするポイントではないのかもしれませんね。




 ゴーグル仕様のSG-1を装備に合わせてみました。ツヤツヤしてたりロゴが派手だったりと民生品感のある小物があるとオールド感が出て良いのではないかなと思います。壊れやすいのでサバゲに使うかといえば悩みますが、コレクションとして活用していきたいところですね。

 今回はここらへんで終わります。

   


Posted by スプリング at 09:00Comments(0)小物考察WileyX(PO)アイウェア

2020年06月07日

00年代前半 SEALs レッグホルスター考察



 前回タナカのP226をゲットしましたが、それに合うホルスターが欲しくなりました。

 どうせならP226に合わせて00年代前半に使用例がある個体が欲しいところです。という訳でいい感じのホルスターを探していきます。


 まず、00年代前半のSEALが使っているホルスターとして思い浮かぶのはサファリランドの6004では無いかと思われます。










 いずれも00年代前半ですが、6004系が使用されていますね。

 一応、自分もP226対応の6004を所有しています。



 6004-77です。ライト無しのP226が納まるベーシックなホルスターですね。こちらもSEALにて使用例が残っているモデルとなります。

 ピストルの固定方法や基本的な構造はM9用の6004-73と特に変わりませんので省きます。



 こちらはカスタム個体で、ホルスターの側面によく分からない穴が空いていたり、裏にクッションがダクトテープで固定してあったりと手が入っています。(因みにですが、プラットフォームはバキバキに折れていたので手持ちのM9用の物を取り付けています)



 タナカのP226もこのように収まります。

 が、幅調節用のネジをかなり緩めないと入りませんでした。しかもその状態でP226を抜くとネジのワッシャーが動いてチャラチャラと音を鳴らす有様です。

 M9の時はこのような問題は起こらなかったため、もしかするとタナカのP226は実銃より太いのかもしれません。

 まあ、使用に問題はないので気にしない方向で行こうかと思います。


 次はナイロン系ホルスターですね。

 SEALでナイロンホルスターといえばABAのフラップ式のレッグホルスターが思い浮かびますが、個人的に00年代装備には素早くドローできるモデルが欲しいところです。(90年代装備ならあちらが欲しいところですが……)

 というわけで良いものがないか画像を漁っていたところ、このような使用例を見つけました。



 02年、Desert Rescue XでのSEAL隊員だそうです。赤枠内にナイロンホルスターを装備しています。

 といっても個人的に見たことがない個体です。特徴から特定を開始しました。



 分かりやすいポイントは『①ホルスター前面のスモールポーチ』『②ホルスター側面の垂れたバックルメス』の2つです。

 この特徴からまずEAGLEの"SAS MK3 ABN"が思い浮かびました。





 前面にスモールポーチがあり、空挺ストラップ固定用のバックルメスが側面に縫い付けられています。見た感じ似ていたので買いました。バックルも98年で02年装備にも合いそうです。

 しかし、実際に届いた物と使用例を比較してみるとどうやら違うことが判明しました。





 使用例に似た角度で写してみました。こうすると使用例に対してレッグストラップのバックルが手前過ぎ、側面のバックルメスは左過ぎ、スモールポーチが控えめであるということが分かります。特にスモールポーチがモッサリしてないのが致命的ですね。

 となるとSEALでなにかと使用例を見かけるBHIが出しているホルスターかとも思いましたが、当時のBHIのホルスターはEAGLEに似たフォルムなのでEAGLEが違うならBHIも同様と考えられます。

 というわけでそれ以外のメーカーのホルスターで探していたのですが、それらしい個体を発見することができました。





 それがこちらLBTの"0372E"です。



 蓋、ストラップ、サムブレイクの3重ロックでガッチリ固定できるゴツいホルスターです。

 この状態だと何がそれらしいのがサッパリですが、なんとこのホルスターはフラップが取れます。おまけにレッグストラップも抜けます。



 余分なパーツを取り除いた姿がこちらです。

 バックルメスはMK3より右にあり真ん中に縫い付けられており、スモールポーチもボリュームがありますね。





 使用例に似た角度で写すとこんな感じです。





 レッグストラップのバックルの位置も遠いです。更にこのホルスターはSEALの要請で開発されたそうです。

 これはもう今回の使用例は"0372E"と言っても過言ではないのではないでしょうか。


 因みにですが、蓋を毟った状態でもバンジーリテンションコードやサムブレイクでピストルをガッチリ保持することが可能です。



 バンジーリテンションコードはゴム製で、適度なテンションでピストルを保持できます。面白い構造ですね。



 サムブレイク部はドットボタンとベルクロでそれぞれ固定できます。





 ここらへんはEAGLEと同様ですね。ただ、EAGLEのMK3はこのサムブレイク部のメス側にインサートが入ってましたが、0372Eには入ってないようです。



 MK3と0372Eです。こうしてみるとなかなかシルエットが異なりますね。



 デューティベルトに取り付けてみました。

 試しにP226を出し入れしてみましたが、ホルスター内部にインサートが入っているため出し入れ自体は非常にスムーズに行える印象です。ただ、サムブレイクの再ロックに関してはメス側に硬いインサートがない関係上フニャフニャしてて少々難しく感じますね。


 6004と0372E。印象がぜんぜん異なるホルスターなので、いい感じに使い分けて行きたいところです。

 今回はここらへんで終わります。  


Posted by スプリング at 09:45Comments(0)装備考察小物考察ホルスター

2019年02月17日

米軍装備の小物 その3 (ライトデューティグローブ,インサートグローブ)

 今回はサバゲーにも実用性がある装備のライトデューティグローブとインサートグローブについて書きます。


・ライトデューティグローブ,インサートグローブ


ライトデューティグローブの使用例(98年)


 ライトデューティグローブは革製の黒いグローブで、D3Aグローブとか呼ばれているグローブの1つです。正式名称は"GLOVES, MEN'S AND WOMEN'S"です。NSN取得は1989年です。90年代末期とかに見かけます。



 個人的に90年代の一般装備ではフライトグローブよりD3Aグローブのほうが使用例を見かけるような気がします。

 サイズは1から5までが存在しており、サイズごとに異なるNSNを持ちます。例として、3は8415-01-310-7336です。

 また、このライトデューティグローブと合体可能なグローブがインサートグローブです。



 パッと見ただの軍手ですね。というか普通に軍手で、正式名称は"Cold Weather Glove Inserts"です。

 サイズはこちらも1から5まであり、ライトデューティグローブ同様にサイズごとにNSNが異なります。例として4は8415-00-682-6576です。

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インサートグラブの使用例(97年)

 軍手なので、このように単体での使用例も見かけます。

 そして、このインサートグローブの上にライトデューティグローブを着けることで1つのグローブになります。



 まあ普通に重ねただけですね。もちろん使用例もあります。

合体状態の使用例(98年)


 ライトデューティグローブが外側に捲れているため、2つのグローブであることが分かりやすいですね。

 更に、これらグローブは着用するだけでなく、装備を盛ることにも使用することができます。


装備に取り付けている使用例(98年)


 2人とも右肩の長さを調節する金具にグローブが引っ掛けてあります。イヤープラグケースやペースカウンターは比較的ひっそりしている感じですが、グローブだと結構な存在感を放ちますね。


 また、下の画像のように指の関節がある部分にシワがない革グローブの画像を見かけることもあるかと思いますが、こちらはNSNも異なる古いD3Aグローブとなっています。

古いD3Aグローブの使用例(98年)


 ナム戦装備を集められている方はこちらの方が見慣れているかもしれません。こっちの特徴は指にシワがない点以外にも手のひらに補強がない点が挙げられます。



 新しい方の補強や指のシワはこんな感じです。ここらへんを確認することで古いものかどうかは見分けることが可能です。

 また、表面がスウェードだったりそうじゃなかったりしますが、NSNは同じなので個体差なのでしょうか……。そこはちょっと分かりません。

 他にも、最初から内張りがある黒い革製グローブも存在しますが、これはNSNが異なる別のグローブになります。

 こちらはアジャスターのウェビングがグローブ内部に潜っていたり、グローブ同士をまとめる固定方法がドットボタンだったりと、違うポイントが多いのでひと目で分かるかと思います。

 因みに、BHDにも出てくる白い革のグローブはヘビーデューティーグローブと名前が違い、NSNも異なります。つまり、これまた別のグローブです。色違いではありません。

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ヘビーデューティーグローブの使用例(96年)

 こんな感じで、見るからに厚手なグローブなのでそこら辺からも見分けることが可能ですね。

 話がだいぶ逸れてしまいましたが、ライトデューティグローブは古い一般装備でも違和感なくサバゲーで手を守れる貴重なグローブだと思います。
 
 サバゲーだと指にBB弾当たると痛いですし、木を掴んだり地面に手をついたりすると擦りむく可能性もあります。ライトデューティグローブはそれなりに丈夫な革手なので、そこら辺の脅威から身を守ってくれます。装備を盛るだけでなく実用性もある凄いやつです。

 といったところで今回は終わります。  


Posted by スプリング at 22:32Comments(0)小物考察

2019年02月10日

米軍装備の小物 その2 (デコンキットケース,ベルトエクステンダー)

 前回はイヤープラグケースとペースカウンターについて書きました。他にも見かける小物があるので書いていこうかと思います。

今回は
1. デコンキットケース
2. ベルトエクステンダー
の2つです。




1. デコンキットケース



 デコン(除染)キットのケースで、正式名称はDECONTAMINATING KIT, SKIN (NSN:4230-01-101-3984)です。



 内部は仕切りなどもない普通の容器です。

 本来はM258A1と呼ばれるDECON1とDECON2なる2種類の布巾が入っています。それで顔を拭いたりするのですが、放出品では大体入って無いです。自分も持ってないのでいずれ手に入れたいところです。




 蓋とケースの後ろを繋ぐ形でテープが通してあり、その先には簡易的なフックがあります。

 フックを利用することで、サスペンダーの金具の穴やピストルベルトの鳩目などに通すことができます。

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 砂漠の盾作戦の時の82空挺です。上の画像では、サスペンダーの左肩部分にテープで巻いて取り付けられてますね。デコンキットケースはなんとなく湾岸戦争のイメージです。

 90年代後半ではガスマスクバッグを携帯していても見かけないような気がします。ポケットやガスマスクバックなどに入れているのでしょうか? ただ、使用例もあります。



 1999年の82空挺です。左の方のベルトに引っかかってますね。赤丸の部分です。まあこの画像はデコンキットケースよりも、99年なのに56サスペンダー使用している方がなかなかに謎ですが……。

 因みに右の方が持ってるドリンクはゲータレードだと思います。美味しいジュースですが日本では見かけないですね。



2. ベルトエクステンダー
 たまにサスペンダーなどの肩パッド部分にピストルベルトのバックルがくっついている画像を見かける事があると思います。

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 2004年の第2歩兵師団ですが、この画像でも右肩にバックルがありますね。これはベルトエクステンダーと呼ばれるもので、正式名称は"EQUIPMENT BELT EXTENDER"(NSN: 8465-01-457-8980)です。

 ベルトエクステンダーは文字通りベルトを延長する装備です。アーマー装備時などにピストルベルトの金具を操作すること無く、長さの変更を可能とします。



 日本的には自衛隊のチョビ弾(弾帯アジャスター)ですね。ただ、自衛隊のチョビ弾が自分の長さをベルクロで変更できるのに対し、ベルトエクステンダーは自分の長さを変更することが出来ません。



 裏面がこのように縫い付けられており、横幅が固定となっています。単純にベルトを延長するだけなので、フィットさせることが出来ないというのは実用する上で少し不便かもしれませんね。

 また、LC-2用だけでなくLC-2A用のベルトエクステンダーも存在しています。



 LC-2A用は正式名称が"EQUIPMENT BELT EXTE"(NSN:8465-01-457-8969)と少し異なります。

 ベルト部の素材がLC-2用と異なり厚いですが、LC-2用とLC-2A用にそれぞれ薄いタイプと厚いタイプの2種類が存在します。NSNは同一なので個体差のようなものかもしれません。



 上が厚い方で下が薄い方ですが、見た目的には上のほうが強度がありそうですね。

 なかなか見かけませんが、エクステンダーを用いて実際にピストルベルトを延長している使用例もあります。



 2001年コソボの第41野戦砲兵旅団です。エクステンダーを使用することで余裕を持ってOTVの上からTLBVを装着できてますね。

 ベルトエクステンダーは時々ヤフオクに現れますが、表記揺れが激しいので見つけるのが難しい気がします。自分が購入した時は「ベルトの延長」みたいな名前だったと記憶しています。本体にNSNや名称が印刷されていないので仕方ないですね。

 まあ、サープラスショップなどに「ピストルベルトを延ばすやつ探してます」と聞いたほうが速いかもしれません。


 という訳で今回はこの2つでした。何かの参考になりましたら幸いです。  


Posted by スプリング at 09:00Comments(0)小物考察

2019年01月09日

米軍装備の小物 その1 (イヤープラグケース,ペースカウンター)

 米軍装備を再現するにあたり、「アクセントで写真にある小物着けたい!」となる場合はあるかと思いますが、「この小物の名前なんなんだよ……」となる場合があるかと思います。00年代になると私物も出てきて余計に訳が分かりませんね。

 今回はそういった小物群の中でも登場頻度が高いイヤープラグケースペースカウンターについて書きます。




1. イヤープラグケース



 独特な形ですし、中身も曇っていてよく見えないので名前知らないとなんだかよく分からないですよね。これがイヤープラグケース(NSN:"6515-01-100-1674")です。



 こんな感じで蓋がスライドし、中には両耳用に2つの耳栓が入っています。



 オレンジ色の耳栓(NSN:"6515-00-442-4818")、Mサイズです。これが緑になるとSサイズ、青になるとLサイズになります。これのキノコのかさみたいな方を耳にはめることで騒音から耳を守ります。

 他にも耳の形にフィットするタイプの耳栓がありますが、NSNが異なるため用途が違うのでしょうか。因みにフィルムケースタイプのイヤープラグケースはフィットするタイプの耳栓用のケースみたいです。

 まあ、90年代で見かけるイヤープラグケースはゴツい方のタイプな気がします。使用例を見てみましょう。

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サスペンダーに取り付けている例(96年)


TLBVに取り付けている例(98年)


 このようにサスペンダーやTLBVに取り付けられていたり


ボタン穴に取り付けている例(98年)



 ジャケット胸ポケットのボタン穴に取り付けられています。

 取りやすくて邪魔にならない所といった感じでしょうか。チェーンにより様々な所に取付け可能なのが大きそうですね。



 TLBVの金具に取り付けてみました。いい感じのアクセントになりそうです。

 イヤープラグケースは大体1000円位で売っているような気がしますが、ネットではなかなか見かけないような気もします。また、ケースには黄色以外のカラーもあるため、購入時は注意が必要かもしれません。



2. ペースカウンター
 レンジャービーズやペースカウンタービーズとも呼ばれている、パラコードにビーズが13個通されているストラップです。NSN調べても出てきませんでしたが何なんでしょうね。



 アポロチョコみたいなビーズが下に9個、上に4個配置されており、その間に結び目があることで2つのビーズ群に分けられています。



 ビーズをそろばんの珠のように上下に動かすことで、歩数を数えたり移動距離を数えたりすることが可能です。下が小さい位、上が大きい位です。

 どんな感じで取り付けられているかの使用例を見てみましょう。

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サスペンダーに取り付けている例 1(96年)


 この写真だと右と中央の隊員のサスペンダー右肩部分に確認できますね。ペースカウンターの存在を意識して写真を眺めてみると、たまにサスペンダーの肩パッド部分に括り付けてあるのを見つけることが出来ます。

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サスペンダーに取り付けている例 2(97年)


 この画像の場合は分かりにくいですが、右の方のコンパスポーチの下に確認できますね。ただ、こちらは白色のようなのでビーズがドクロの形をしているバージョンかもしれません。ドクロのタイプはクリックカウンターという名称で売られているのを見ますね。実物を保有してないので分かりませんが、なにか機能が違うのでしょうか……?

 因みに左手に握られているのは無線機ではなく、AN / PSN-11プレシジョンライトウェイトGPSレシーバー(PLGR)と呼ばれる装備です。GPS受信機ですね。

 ペースカウンターやクリックカウンターと検索すると国内でも売っているショップが結構見つかりますね。ただ、ドクロの方が多く見つかります。こっちが人気なのでしょうか? 個人的にはシンプル形をしたビーズのペースカウンターの方が好みです。



 ペースカウンターをサスペンダーに取り付けてみました。イヤープラグケースと比べると横幅はありませんが、縦に長いため結構目立ちますね。こちらもいい感じです。



 という訳で、今回はイヤープラグとペースカウンターでした。何か装備収集の参考になりましたら幸いです。  


Posted by スプリング at 10:22Comments(0)小物考察

2019年01月06日

オールドスクール装備な腕時計

 米軍の画像を探していると、私物の腕時計を装備している画像をたまに見かけます。迷彩服の袖からチラリと見えるカッコいい腕時計。良いですよね。

 また、装備のワンポイントという用途だけでなく、サバイバルゲームにおいては手軽に時間を確認できる実用性もあります。

 ただ、どうせ腕時計を装備するというのであれば、時代に違和感の無い物を装備したいという気持ちがありますよね?

 そこで、今回は90年代後半から00年代前半にかけての装備で違和感無く使用でき、比較的手軽に手に入る腕時計について書こうかと思います。

 日本で手軽に入手できる腕時計といえば、それはもう国内メーカーの腕時計です。その中で海外でもメジャーなメーカーといえば……


そうCASIOです。



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個性豊かなカシオの腕時計たち


 『スピード』(94年)のキアヌ・リーヴス、『アウトブレイク』(95年)のモーガン・フリーマン、『ミッション:インポッシブル』(96年)や『ミッション:インポッシブル2』(00年)のトム・クルーズ。彼らもCASIOの腕時計を装着して出演してます。

 映画スターも着けるほどの人気がある時計。そう書くとアリな感じがしますよね。実際CASIOのG-SHOCKなど人気だったようです。

 「なら当時発売されていたG-SHOCK買えばいいじゃん!」と思いますよね。

 ただ、そこには落とし穴が存在しています。


経年劣化



 DW-5000CやDW-5900Cなど当時のモデルは多くが絶版になっており、手に入れる方法は当時品を買うしかありません。しかし、ホッケーのスティックでフルスイングされても動くG-SHOCKですが、経年劣化でベルトベゼルは砕け散ります。ヒーローもガンダムも加水分解で壊れてしまうのです。

 確かに現存している個体も多いですが、いつベルベゼが砕けるか分からないのが現状。あと、昔のG-SHOCKは高いのも多いです。気軽にサバゲーに使えるかいうと……。(35周年でベゼルが蘇ったDW-5000CやDW-5600Cの例はありますが、販売は期間限定のようですしこの2つは人気モデルなので装備のアクセントとして購入するには相場が安くないです。)

 であれば、90年代から現在まで変わらず生産されている個体を新品で買うのが一番だと思いませんか? 加水分解は怖いですが、新品であれば寿命も長そうです。

 そして、現在まで生産が続いているCASIOの腕時計の中でも、当時の米軍で使用例がある物が存在します。



出典:https://nara.getarchive.net/media/spc-antwi-kofi-91b10-combat-medic-headquarters-support-company-94th-engineer-81097b

 この写真は隠れがちな手首が露わになっているのでフォルムを確認しやすいですね。1996年のボスニア派遣時の第一機甲師団だそうですが、右の方が巻かれているのはF-91W(1989)だと思われます。

シンプル・イズ・ベストなF-91W

photo credit: Tim Gerland 28/06/11: made in Thailand, terrorist approved! via photopin (license)


 1989年に発売されたこのモデルは現在まで製造販売が続くベストセラーです。ネット通販どころかホームセンターですら入手が可能です。かなり身近なモデルですが、更に魅力的なのが価格です。


Amazon価格830円!!



 まさかの1000円いきません。サバゲに利用するとなると飛来するBB弾が怖いですが、この価格なら怖くないかもしれません。



 腕時計部分を反転して拡大してみました。似た形状のFシリーズはびっくりするぐらい沢山あるのですが、液晶下部のプリントが左、中央、右に別れてますしF-91Wぽいなと思います。もし「いやこれはcasioではなく〇〇社の〇〇だ」と気づかれた方はコメントにてよろしくお願いします。



 次に、『ミッション:インポッシブル』でトム・クルーズがつけていたのはDW-290(1994)です。


photo credit: Vince Sanga Your mission should you choose to accept... #mexture #phonto #blender #ndpatterns #casio #gshock #mi #missionimpossiblemovie #watch via photopin (license)

 昔は映画で使用されていた腕時計はDW-5300(1994)だと言われていましたが、実はDW-290でした。あちらもゴツくて格好いいのですが、残念ながら遥か昔に絶版です。

 大ヒット映画で主役が使用していたモデルとなると、当時も映画を見た後に「トム・クルーズと同じ時計つけちゃうぞー」と考えたとかありそうですよね。因みに六角形のマッシブなフォルムと型番のDWから一見G-SHOCKですがG-SHOCKではありません。

 これも現行モデルです。こちらは楽天市場で5000円ぐらいします。まあ見た目もゴツいですし仕方ないですね。



 また、他にも90年代から現在まで生産が続くモデルの中にもかなり知名度が高い物が存在します。


photo credit: VGB.Studios 2012-0114 via photopin (license)


 DW-5600E(1996)です。こちら当時から生産が続くG-SHOCKです。並行輸入品だとAmazonで5500円です。(というより海外モデルと日本モデルで記載された表記が違うため、海外装備に用いる場合は並行輸入品の方が望ましいと思います。)

 DW-5600EはDW-5600C(1987)の流れを組む腕時計で、これ自体も現在まで生産が続く名機です。

みんな大好きDW-5600C-1V

photo credit: fortfan Casio G-Shock via photopin (license)


 DW-5600Cは『スピード』キアヌ・リーヴスが着けていた腕時計で、スピードモデルとか呼ばれています。反転液晶にしてみたり、電波時計になってみたり、太陽電池を搭載してみたりと形を変えながら復刻を繰り返す人気モデルです。

 そしてDW-5600EはそのDW-5600Cからモジュールなどを改良したマイナーチェンジモデルです。豆球からELバックライトなったので暗くなっても画面が見やすいです。

 人気モデルの後継機で性能もアップしてるモデル。これもよさそうです。あとG-SHOCKというブランドがあるのがいいですよね。
 


 とまあ、ここら辺のモデルだと現行品という性質上気軽に使用でき、当時の装備にも違和感なく合わせることができるような気がします。

 ただ、長年の生産を経てモジュール(中身)など変わっている個体もありますので、そこら辺まで拘る方は注意が必要です。あくまで今回のコンセプトは比較的安価で、尚且つ手に入りやすいモデルという感じです。

 というわけで、90年代から現在まで製造が続いている腕時計3種について書いてみました。装備をコーディネートする際の参考になりましたら幸いです。  


Posted by スプリング at 09:56Comments(0)小物考察CASIO