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Posted by ミリタリーブログ at

2019年01月05日

98年 米陸軍UNCSBの装備考察 その3 (ベスト、ピストルベルト編)

 前回、前々回に引き続き、98年UNCSBの装備についての考察を行います。

98年 米陸軍UNCSBの装備考察 その1 (ヘルメット編)
98年 米陸軍UNCSBの装備考察 その2 (衣料、M4、アーマー編)




 戦闘中や訓練中の写真は勿論ですが、このように準備中の画像も仕事人といった感じで格好いいですよね。

 最終回は胴体装備全般です。今回は右斜め前、左斜め前、後方と綺麗に全身のポーチ配列がわかるため、最初に画像からの装備の読み取りを行います。

 胴体の装備はTLBVやLC装備などの複合ですね。最初の写真からはTLBV 1st, 200連マガジンポーチ, LC-2キャンティーンカバー, ナイロンフィールドパックが読み取れます。また、右肩には謎ホルスターがありますね。



 背後からの写真からは、200連マガジンポーチとLC-2キャンティーンカバーがもう1つあることが読み取れますね。また、TLBVの右側のDカンとフィールドパックのDカンをパラコードで結んで固定しているようです。ただ、左側のDカンは壊れているらしく、カラビナで固定しているのが面白いですね。



 最後に、準備している写真からはピストルベルトを挟んでコンパスポーチが2個あることが読み取れます。



 よく見てみるとピストルベルトのバックルがLC-2のプラバックルらしいことが分かります。



 はっきりとは見えませんが、年代的にも矛盾がないので恐らくあっていると思います。


 よって、今回のベルトキット類の構成は
1. TLBV
2. 200連マガジンポーチ *2
3. LC-2キャンティーンカバー *2
4. LC-1コンパスポーチ *2 
5. フィールドパック
6. LC-2 ピストルベルト    といった感じのようです。



1. TLBV



 03年米軍装備の考察にも出てきたベストですね。その1stタイプ、前期型です。因みに首の横にあるショルダーループのベロが首側にあると1stです。右肩のループを利用してホルスターらしきものが引っ掛けられています。



 よく分かりませんが、何やら中身はフラッシュライトのようにも見えます。私物でしょうか。また、左肩にはハンドマイクの姿も見えます。



2. 200連マガジンポーチ


 MINIMIの200連マガジンが入る大きなポーチです。ドットボタンだけでなくベルクロでも蓋を閉じることが可能で、使い勝手がいいのかガナー装備以外でも見かけます。ユーティリティポーチ的に使われていたのかもしれません。
 


 このポーチにはバリエーションがあり、自分は画像の三種類を所有しています。左からベロ付き、ベロなし、ベロなし内部両サイドにプラ板あり。

 今回の使用例は形崩れてませんし、プラ板ありのバージョンのような気がします。




 また、SAWポーチの右上にハンドマイクのコードが飛び出していることから、ポーチ内になにやら無線機が入っていることが分かります。



 別の画像ではPRC126らしき物を弄っていました。おそらくこれがこの中に入っているのではないでしょうか。





 私も1台所有していますが電池切れで動きません。まあ動く状態でも下手に動かせない品物ではありますが。ちなみに本来は専用ポーチがあります。なぜ今回の使用例では使用していないのでしょうか……。

 また、パトロール中の使用例はアンテナが見えませんが、アンテナをどこに格納しているのかも謎です。まあ折りたためるので畳んでいるのかもしれません。



3. LC-2キャンティーンカバー





 左右脇腹の後ろに配置されている水筒のカバーです。前回の考察にも出てきました。面白い点としては、ガスマスク用の小さいキャップがダクトテープらしい物で脱落防止されている点でしょうか。ベタベタ貼ってありますね。

 この小さいキャップは本体とつながる紐部分が折れやすく、紐が折れた状態の小さいキャップが脱落しないように固定しているのかもしれません。実際、小さいキャップが脱落した使用例も見かけます。


奥の紐は細くて見るからに弱そうですね。



 また、開けやすいようになのかガスマスク利用時のキャップの端にパラコードでベロを作ってますね。使用時はこれを引っ張ってダクトテープごと小さい方のキャップを取るのかもしれません。



4. コンパスポーチ



 包帯かコンパスが入るポーチです。2個あるため中身はコンパスと包帯かと。マニュアルだと配置場所は左肩と装着者から見てピストルベルトのバックルの右に1つといった配置ですが、左肩がハンドマイクで埋まっているためバックルの左に降りてきているのかなと思います。BHDでも左肩がマイクやストロボポーチで埋まっているからか、バックル挟んでコンパスポーチ2個装備ですね。


5. フィールドパック


 日本風に言えば雑嚢、他にもブットパック、アスパックなど表記揺れが激しいです。たまに形の違いでLC-1やLC-2とか呼ばれますが、特にLC装備ではないです。使用例のフィールドパックは蓋に鳩目がなくなった後期型ですね。破れやすく、ネームの書き込みがされやすいため、なかなか美品とめぐりあうことは難しい気がします。

 中にはAN/PVS-7Bのポーチが入っているように見えます。



 98年同日の他の隊員もこのタイプのポーチを使用されているため、そうではないかなと思います。



 中央にあるポーチです。少し見えにくいですが……。色味やかすかに見える表面の文字からそうかなと。



 このポーチはなかなか売っているのを見かけませんね。また、売っていても番号の書き込みなどがある場合が多く、これまた美品と巡り合うのが地味に難しい気がします。



6. LC-2ピストルベルト


 特徴的なプラスチックのクイックリリースバックルを持つピストルベルトです。ベルトの末端を金具で固定するか、ボタンで固定するかで2種類が存在しています。



 上が金具式、下がボタン式のベルト末端です。他にもバックル側の固定方式が異なるなどありますが、この部分が一番見分けやすいです。因みに金具式の方が古いタイプです。個人的には金具式のほうが好きです。



 だいたいこんな感じでしょうか。いろいろな角度からの写真が残っており、98年におけるTLBV装備のほぼ全身がわかる素晴らしい資料ですね。惜しむらくは肩のホルスター……。どうにか謎を解きたいところです。

 90年代末期装備の参考になりましたら幸いです。それではまたお会いしましょう。
   


Posted by スプリング at 12:14Comments(0)装備考察