2023年04月11日
Rogers Akron M-1950 Stove (1966) 2 分解/調整
前回外観を確認したM-1950ストーブを分解して修理しようと思います。ノブは前回交換したので、残る問題点は1. ジェネレーターロッドの欠品と2. エキセントリックステムがハマらないの2つです(といってもロッドは予備品をとりつけるだけですが)。
実はバルブから上は全部手持ちがあるのでこれごと交換してしまえばそれで完了なのですが、それはあまり面白くないので修理していきます。
ゴトクの足元にある3本のネジを外すとバーナーシールドを取り外すことができ、更にバルブをモンキーレンチで固定して回すとバルブアッセンブリーごと抜き取ることができます。
取り外したバルブアッセンブリーです。本来メチャクチャ硬いのですが、前オーナーが分解していたので半差し状態でした。そして指で持っているのが問題のエキセントリックステムです。ここも場合によってはガチガチに固定されている場所なので分解済みなのは助かりますね。
また、このステムは更に分解することができます。せっかくなので内部のグラファイトパッキンの状態も確認します。
端部のエキセントリックステムパッキングナットを取り外しました。このナット内部にグラファイトパッキンがあります。
M-1950ストーブは専用のグラファイトパッキンのリプロ品がないため、ここが劣化しているときはグラファイトシートを巻き付けたり、細切れにしたやつを押し込んだりして自作する必要があります。
今回はあまり劣化していないようなので問題無さそうですね。
エキセントリックステムです。軸先が偏心していますが、この軸先がエキセントリックブロックの溝と噛み合うことでステムの回転運動をバルブ開閉の上下運動に変換します。今回の個体はステム先端が変形しています。
こちらは手持ちのステムとエキセントリックブロックですが、軸先が入りそうなサイズの溝がエキセントリックブロックに彫られているのが分かりますね。
噛み合っているときのイメージはこんな感じです。今回のステムはこの軸先が変形して太くなっていたので、ブロックの溝にハマらなくなり組み立て不能になっていました。
原因は恐らくステムとブロックが噛み合っていないのに無理矢理ボディのネジを締め付けたことによる変形です。真鍮は柔らかいので無理な力を加えると案外変形します。
わかりにくいですが、軸先の形状を整えました。これで問題なく組み立てができるようになります。
欠品のジェネレーターロッドもスペアパーツを用意しました。これで組み立てれば完成ですが、その前にせっかくなのでジェネレーターの様子も見ておきます。
ジェネレーターチューブの中にはメッシュが挿入されており、ここが詰まったりすると本体の動作に影響が出ますが、見た感じ新品ですね。全く汚れていません。
全体を分解した際の配置図はこんな感じです。……という風にやりたかったのですが、よく見たらニードルが写っていませんね。本当はここにニードルも必要です。
というわけで問題がなかったことがわかったので組み立てていきます。
ステムを取り付ける前にエキセントリックブロックをバルブボディに挿入します。
ステムを挿入し、エキセントリックブロックの溝としっかり噛み合っていることを確認したら、ボディを取り付けてステムを固定します。この際、ボディのネジにはシールテープを巻いています。
続いてジェネレーターを取り付けます。エキセントリックブロック上端の穴にロッドの端部を引っ掛けます。
その状態でチューブを差し込み、プレヒーターカップで固定します。
バルブにシールテープを巻き、タンクに取り付けました。(ちなみにですが、上記写真でノブが付いたり外れたりしているのはニードルやジェネレーターロッドがちゃんと上下するか一応確認していたからです。)
ポンプを取り付けて加圧し、石鹸水で漏れがないかを確認します。特にバルブの根本とポンプの基部からの漏れは危険なのでしっかり確認します。
確認の結果、漏れはなかったのでこの状態で水分を乾燥させます。
一日乾燥させた後は分解と逆の手順で組み立てました。
試運転の様子です。問題なく動作しました。また、連続点火しても特に不調などもありません。組み立て成功ですね。
今回はここらへんで終わります。
Posted by スプリング at 22:05│Comments(0)