2023年05月20日
Rogers Akron M-1950 Stove (1952) 4 分解/メンテナンス
前回に引き続き初期のM-1950ストーブについてです。

製造から70年経過している個体なので各部のパッキンが劣化している可能性が考えられます。また、そもそもポンプが固く動きません。固着してしまっているようです。
試しに点火する前に分解してクリーニングを行います。バーナーシールドやノブなど簡単に取り外せるものは予め取り外し、各部を分解していきます。

ポンプカップはバレル内で固着しており、プランジャーを引く抜く際に千切れました。ピンセットでなんとか取り出しましたが、ガチガチに劣化しており再利用はできそうにありません。手持ちのリプロ品に交換します。

バーナーアッセンブリーとプレヒーターカップアッセンブリーはモンキーレンチがあれば普通に分解できますが、幅が狭いモンキーレンチのほうが操作しやすいです。

プレヒーターカップを外したことでジェネレーターチューブ内のスクリーンを取り出すことができました。若干汚れて目詰りしていたのでクリーニングしました。
ジェネレーターチューブやニードルが出入りするチップも汚れていたので同時にクリーニングしています。

フューエル&エアーチューブの清掃やニードルのガスケットを交換を行うためにバルブの分解を行います。これまで分解されていないガチガチに固められている個体だとここの分解は非常に厄介です。
このバルブは非常に固く、WD-40のような浸透するオイルが無いと分解は難しいのではないかと思います。バーナーでバルブを炙ってシール材を除去し、冷ました後にWD-40を塗布して1時間ほど放置しました。

また、タンクは円形で力を入れにくいのでオイルフィルターレンチで固定しますが、その際に長いモンキーレンチで固定することで柄を延長します。テコの原理で柄が長いほどタンクに力を加えることができる気がします。

今回は前回に比べるとあっさり分解できました。WD-40を浸透させると開けやすくなるような気がします。

硬化していたニードルのガスケットを交換しました。また、同時にポンプやエアチェックポンプのガスケットも交換しています。
タンクを開放して内部を確認したところ錆が発生していたので、モノタロウのサビ取りクリーナーで錆を取ります。


10倍に薄めたサビ取りクリーナーを注ぎ、溢れてくるので適当なコルク栓で封をしました。
このクリーナーは温かい方が効果があるようなので、薄める際に熱湯を使ったり、定期的に温めたり、車のダッシュボードに置いて放置したりとできる限り冷まさず1日放置します。

タンクから真っ黒な液体が出てきました。錆というより劣化したガソリンの残骸とかなのでしょうか?
あまりに黒かったので再度クリーニングします。本来はサビ取りクリーナーは使い回せますが、流石に無理そうなので新しく液を入れ直して更に一日放置しました。

まだ黒っぽいですが、今度は若干透明感が出ています。

タンク内も綺麗になったようです。見える範囲に錆は無さそうです。

サビを分解したら穴が空いてしまったということも考えられるのでクリーニングを完了したバルブとジェネレーター、ポンプを組み付けて石鹸水を塗布しリークテストを行います。
バルブの根本、エキセントリックステムのナット、プレヒーターカップの根本からそれぞれ漏れがありました。バルブについてはシールテープを巻き直し、エキセントリックステムのナットは増し締めすることで解決できましたが、プレヒーターカップの根本からの漏れは増し締めしても解決できませんでした。


プレヒーターカップがバルブのネジと噛み合い、間に挟んだジェネレーターチューブを締め付けることで気密を取る構造ですが、よく見るとバルブ側に傷が入っておりそれが原因のようです。

研磨して確認を繰り返すと予想通り漏れは止まりました。

リークテスト後はよく乾燥させ、組み立てていきます。

ポンプアッセンブリーも差し込みました。少し磨いたので綺麗になっています。

というわけで組み立てが完了しました。写真は取り忘れましたが、プレヒートから点火までも問題なく行えました。修理完了ですね。
60年代以降のモデルもいいですが、50年代のシンプルなデカールにチェッカリング付きバーナーシールドの初期モデルもいいですね。キャンプなどで実際に使用してみたいところです。今回はここらへんで終わります。

製造から70年経過している個体なので各部のパッキンが劣化している可能性が考えられます。また、そもそもポンプが固く動きません。固着してしまっているようです。
試しに点火する前に分解してクリーニングを行います。バーナーシールドやノブなど簡単に取り外せるものは予め取り外し、各部を分解していきます。

ポンプカップはバレル内で固着しており、プランジャーを引く抜く際に千切れました。ピンセットでなんとか取り出しましたが、ガチガチに劣化しており再利用はできそうにありません。手持ちのリプロ品に交換します。

バーナーアッセンブリーとプレヒーターカップアッセンブリーはモンキーレンチがあれば普通に分解できますが、幅が狭いモンキーレンチのほうが操作しやすいです。

プレヒーターカップを外したことでジェネレーターチューブ内のスクリーンを取り出すことができました。若干汚れて目詰りしていたのでクリーニングしました。
ジェネレーターチューブやニードルが出入りするチップも汚れていたので同時にクリーニングしています。

フューエル&エアーチューブの清掃やニードルのガスケットを交換を行うためにバルブの分解を行います。これまで分解されていないガチガチに固められている個体だとここの分解は非常に厄介です。
このバルブは非常に固く、WD-40のような浸透するオイルが無いと分解は難しいのではないかと思います。バーナーでバルブを炙ってシール材を除去し、冷ました後にWD-40を塗布して1時間ほど放置しました。

また、タンクは円形で力を入れにくいのでオイルフィルターレンチで固定しますが、その際に長いモンキーレンチで固定することで柄を延長します。テコの原理で柄が長いほどタンクに力を加えることができる気がします。

今回は前回に比べるとあっさり分解できました。WD-40を浸透させると開けやすくなるような気がします。

硬化していたニードルのガスケットを交換しました。また、同時にポンプやエアチェックポンプのガスケットも交換しています。
タンクを開放して内部を確認したところ錆が発生していたので、モノタロウのサビ取りクリーナーで錆を取ります。


10倍に薄めたサビ取りクリーナーを注ぎ、溢れてくるので適当なコルク栓で封をしました。
このクリーナーは温かい方が効果があるようなので、薄める際に熱湯を使ったり、定期的に温めたり、車のダッシュボードに置いて放置したりとできる限り冷まさず1日放置します。

タンクから真っ黒な液体が出てきました。錆というより劣化したガソリンの残骸とかなのでしょうか?
あまりに黒かったので再度クリーニングします。本来はサビ取りクリーナーは使い回せますが、流石に無理そうなので新しく液を入れ直して更に一日放置しました。

まだ黒っぽいですが、今度は若干透明感が出ています。

タンク内も綺麗になったようです。見える範囲に錆は無さそうです。

サビを分解したら穴が空いてしまったということも考えられるのでクリーニングを完了したバルブとジェネレーター、ポンプを組み付けて石鹸水を塗布しリークテストを行います。
バルブの根本、エキセントリックステムのナット、プレヒーターカップの根本からそれぞれ漏れがありました。バルブについてはシールテープを巻き直し、エキセントリックステムのナットは増し締めすることで解決できましたが、プレヒーターカップの根本からの漏れは増し締めしても解決できませんでした。


プレヒーターカップがバルブのネジと噛み合い、間に挟んだジェネレーターチューブを締め付けることで気密を取る構造ですが、よく見るとバルブ側に傷が入っておりそれが原因のようです。

研磨して確認を繰り返すと予想通り漏れは止まりました。

リークテスト後はよく乾燥させ、組み立てていきます。

ポンプアッセンブリーも差し込みました。少し磨いたので綺麗になっています。

というわけで組み立てが完了しました。写真は取り忘れましたが、プレヒートから点火までも問題なく行えました。修理完了ですね。
60年代以降のモデルもいいですが、50年代のシンプルなデカールにチェッカリング付きバーナーシールドの初期モデルもいいですね。キャンプなどで実際に使用してみたいところです。今回はここらへんで終わります。
2023年04月23日
Rogers Akron M-1950 Stove (1952) 2 組み立て

分解清掃を完了したM-1950ストーブを組み立てていきます。


まずはエアー&フューエルチューブにバネを入れ、フューエルニードルを差し込みます。

その後、チューブとバルブボディと合体します。モンキーレンチ2本でチューブとバルブをそれぞれ挟むと回しやすいです。

続いてエキセントリックブロックをボディの上から差込み、ステムを横から差し込みます。

ステムの先端がしっかりエキセントリックブロックの溝にはまっていることを上から覗いて確認します。
この時、エキセントリックブロックが斜めになっていると噛み合っていない状態となります。噛み合っていない状態でエキセントリックボディを締め付けると前回のM-1950のようにステムの先端が変形して組み立て不能になるので注意が必要です。

ブロックとステムが噛み合っていることが確認できたので、ボディのネジにシールテープを巻いて組み付けます。

続いてバルブボディのネジにシールテープを巻き付けました。エレクトリックステムパッキングナットはまだつけません。タンクに組み付ける際に給油口と干渉するからです。

説明書の正面の若干手前になる位置までバルブをタンクにねじ込みました。ここでナットを取り付けます。こうすることでナットと給油口が干渉して傷つくことを防止できます。
このナットを締めることでグラファイトパッキンがステムに押し付けられ、パッキンが変形して気密を取る仕組みです。
ナットの締め付けが強すぎるとステムが圧迫されてノブが回りませんが、締め付けが弱すぎるとバネがニードルを押し上げる力に負けてノブが押し返されるようになるのである程度の締め付けは必要です。

ジェネレータークリーナーロッドをエキセントリックブロック上部の穴に差し込みました。

更にジェネレーターチューブを差し込みます。ニードルの先端が破損しないように注意します。

プレーヒーターカップを取り付けました。プレヒーターカップのネジでジェネレーターチューブをバルブに押し付けて気密を取る構造なのでしっかりネジを締めます。更にポンプも組み付けます。

しっかりと加圧し、石鹸水を塗布します。今回は分解時にかなりの力を加えたので全体的に塗布して漏れがないか確認しています。
最初はノブをオフにした状態でタンクとバルブの根本、ジェネレーターの先端、ポンプの根本からの漏れがないかを確認します。続いてノブをオンにし、エキセントリックボディやナット、ジェネレーターの基部からの漏れを確認します。
漏れがある場合は石鹸水越しに空気が漏れるので泡がブクブクとなり、視覚的に判別ができます。ただ、あまりにも勢いが強いと石鹸水が吹き飛んで泡が出来ないので注意が必要です。

乾燥後にバーナーヘッドを組み付けます。キツく締めすぎると分解時に大変なのでそこそこ締めます。

更にゴトクも装着します。真鍮ブラシでサビ取りをしたので若干きれいになっています。

ノブに付着していた塗料をついでに除去し、組み立て完了です。

ガソリンを入れて実際に使用してみました。最初は若干不安定でしたが、しばらく点火していると安定するようになりました。その後、数回点火と消火を繰り返しましたが特に不具合は見られませんでした。修理完了ですね。
全体的にサビとペイントロスがありくたびれていますが、71年前のストーブと考えるとまあまあ状態は良いのではないでしょうか? 後はキャンプで実際に使ってみたいところです。今回はここらへんで終わります。
2023年04月22日
Rogers Akron M-1950 Stove (1952) 1 分解
Rogers Akron M-1950ストーブ(1952年製)を入手しました。

M-1950ストーブとしてはかなり初期の個体になります。ColemanとRogersの個体を見かけますね。
届いたばかりの状態はこんな感じでした。パッと見の印象としては、とにかくゴトクとバーナーシールドが汚れています。

こちら訳あり品で"圧縮が足りない感じ"とのことでした。見た感じ破損はないので、経路の詰まりや劣化したパッキンから空気の漏れとかがあるのかもしれません。
70年前のパッキンを組み込んだ状態でガソリンを入れて点火するのは流石に怖いので先にすべて分解して整備します。

まずはゴトクを取り外しましたが、このゴトクは足がすごい歪んでますね……。斜めに折れています。上から斜め下方向に強い力を加えたのでしょうか?

見た目が悪いので矯正しました。薄い金属なので力を加えると簡単に形を変えることが出来ます。やりすぎて壊れても怖いのでほどほどにしておきます。

足についてる小さい箱は予備ジェネレーター入れです。中には新品のジェネレーターが残っていました。貴重な予備なので嬉しいです。

ここが残っているとなると他の予備パーツも希望が持てます。ということでポンプ内を確認します。

予備のグラファイトパッキン、ポンプアッセンブリーのガスケット、エアチェックポンプのガスケット、シート、スプリング、ジェネレーター、ポンプカップが入っていました。これは良いサプライズですね。

分解を続けます。カップ上下がガッチリ噛み合っていて外れません。滑り止めのチェッカリングが摩耗しており、上手くつかむことが出来ません。

というわけでパイプ用のプライヤーを2本用意しました。こういう時は無理に外そうとせずに工具を使うほうが楽ですね。しっかり噛ませて回すと簡単に外れました。

取り外した後は洗浄しました。特にネジに変形は無さそうなので単純に固く締まっていただけのようです。

ポンプカップは劣化しており、カラカラになっていてヒビが入ってました。付属してきた当時の純正スペアパーツに交換するのもいいですが、勿体ないので新品のリプロ品に置き換えます。

バレルの根本に入るガスケットは見た感じ大丈夫そうでしたが、ここが圧力が足りない原因の可能性も考えて交換しました。

エアチェックポンプのガスケットは硬化してますね。ガソリンの逆流が怖いのでここも新品(画像右)に交換します。
ポンプの分解が終わったので本体を分解していきます。

バーナーアッセンブリーは根本のナットを緩めると取り外し可能です。結構硬いので対象が大きくて力が入れやすい最初に外したほうが楽です。

プレヒーターカップの根本のナットを緩めるとカップとジェネレーターとジェネレータークリーナーロッドを取り外すことが出来ます。

ジェネレータークリーナーロッドはエキセントリックブロックの穴にハマっていますが、特にガッチリ噛み合っているというわけではないのでふとした衝撃で落下してニードルを折らないように注意します。
汚れてはいるものの、先端のニードルも特に破損していないので交換の必要は無さそうですね。

ジェネレーターチューブ内にはメッシュのスクリーンが入っています。目詰まりしていれば交換しようかと思いましたが、汚れているだけだったので広げて清掃して戻します。広げた時はロッドに巻き付けて癖をつけるとスムーズにチューブに入ります。ここまでは順調でした。
そしてここからが本題ですが、更に分解するためにタンクからバルブを抜き取ります。邪魔になるノブを取り外し、バルブにモンキーを噛ませてネジを緩めますが、その前にバーナーでバルブを炙ります。
これはバルブとタンクに付着した接着剤(シール材)を除去するために必要な行為です。ある程度事前に接着剤を毟って取り除き、バルブを炙り、接着剤を溶かしてできる限り排除します。
で、バルブを回そうと思いましたが、これがあまりにも硬く全く動きません。万力で固定してタンクを回そうとしても、排水口の溝にバルブを挟んで回そうとしてもビクともしません。ランタンと比べるとタンクが小さいためテコの原理が効きにくいと感じました。というわけで最終兵器を用意しました。

タンクをオイルフィルターレンチで固定し、その柄を長いモンキーで掴んで床に押し付け、バルブもモンキーで掴むことで横方向にできる限り延長することでテコの原理パワーを強化します(多分)。後はバルブ側のモンキーに全体重を掛けて押し込みます。

ここまでやってなんとかバルブを回すことが出来ました。が、叩いたり捻ったり無理な力を加えすぎたのでバルブの縁が削れています。叩かずに最初からテコの原理マシーンを使えばよかったです。

正常なバルブと比較すると違いが一目瞭然ですね。変形防止のためにバルブの中に入るステムを除去せずに取り外しましたが、ステムを抜いて空洞状態だったら力が掛かりすぎて変形していたかもしれません。

ここまでしてタンクからバルブを取り外したのはフューエルニードルガスケットを交換するためです。ここが劣化するとノブをOFFにしてもガソリンが止まらず非常に危険です。
このガスケットは(バレルのガスケットもですが)奥まった位置に嵌まり込んでいるため、除去する際はバーナーで燃やして焦がしたほうが早いです。除去後は新しいガスケットに交換しました。

バルブが抜けたのでタンク内部を確認します。錆はありませんが、底部に腐ったガソリンが固着しています。剥がれて詰まったりされても困るのでできる限り取り除きます。
M-1950ストーブは給油口が裏に伸ばしがあるのでひっくり返すだけだとガソリンが抜けきらない構造です。スポイトなどでガソリンをすべて取り除き、こうならないように注意したいですね。
というわけでM-1950ストーブ(1952)の分解でした。見た感じ破損は無かったので組み立てて上手く動作するか確認してみます。今回はここらへんで終わります。

M-1950ストーブとしてはかなり初期の個体になります。ColemanとRogersの個体を見かけますね。
届いたばかりの状態はこんな感じでした。パッと見の印象としては、とにかくゴトクとバーナーシールドが汚れています。

こちら訳あり品で"圧縮が足りない感じ"とのことでした。見た感じ破損はないので、経路の詰まりや劣化したパッキンから空気の漏れとかがあるのかもしれません。
70年前のパッキンを組み込んだ状態でガソリンを入れて点火するのは流石に怖いので先にすべて分解して整備します。

まずはゴトクを取り外しましたが、このゴトクは足がすごい歪んでますね……。斜めに折れています。上から斜め下方向に強い力を加えたのでしょうか?

見た目が悪いので矯正しました。薄い金属なので力を加えると簡単に形を変えることが出来ます。やりすぎて壊れても怖いのでほどほどにしておきます。

足についてる小さい箱は予備ジェネレーター入れです。中には新品のジェネレーターが残っていました。貴重な予備なので嬉しいです。

ここが残っているとなると他の予備パーツも希望が持てます。ということでポンプ内を確認します。

予備のグラファイトパッキン、ポンプアッセンブリーのガスケット、エアチェックポンプのガスケット、シート、スプリング、ジェネレーター、ポンプカップが入っていました。これは良いサプライズですね。

分解を続けます。カップ上下がガッチリ噛み合っていて外れません。滑り止めのチェッカリングが摩耗しており、上手くつかむことが出来ません。

というわけでパイプ用のプライヤーを2本用意しました。こういう時は無理に外そうとせずに工具を使うほうが楽ですね。しっかり噛ませて回すと簡単に外れました。

取り外した後は洗浄しました。特にネジに変形は無さそうなので単純に固く締まっていただけのようです。

ポンプカップは劣化しており、カラカラになっていてヒビが入ってました。付属してきた当時の純正スペアパーツに交換するのもいいですが、勿体ないので新品のリプロ品に置き換えます。

バレルの根本に入るガスケットは見た感じ大丈夫そうでしたが、ここが圧力が足りない原因の可能性も考えて交換しました。

エアチェックポンプのガスケットは硬化してますね。ガソリンの逆流が怖いのでここも新品(画像右)に交換します。
ポンプの分解が終わったので本体を分解していきます。

バーナーアッセンブリーは根本のナットを緩めると取り外し可能です。結構硬いので対象が大きくて力が入れやすい最初に外したほうが楽です。

プレヒーターカップの根本のナットを緩めるとカップとジェネレーターとジェネレータークリーナーロッドを取り外すことが出来ます。

ジェネレータークリーナーロッドはエキセントリックブロックの穴にハマっていますが、特にガッチリ噛み合っているというわけではないのでふとした衝撃で落下してニードルを折らないように注意します。
汚れてはいるものの、先端のニードルも特に破損していないので交換の必要は無さそうですね。

ジェネレーターチューブ内にはメッシュのスクリーンが入っています。目詰まりしていれば交換しようかと思いましたが、汚れているだけだったので広げて清掃して戻します。広げた時はロッドに巻き付けて癖をつけるとスムーズにチューブに入ります。ここまでは順調でした。
そしてここからが本題ですが、更に分解するためにタンクからバルブを抜き取ります。邪魔になるノブを取り外し、バルブにモンキーを噛ませてネジを緩めますが、その前にバーナーでバルブを炙ります。
これはバルブとタンクに付着した接着剤(シール材)を除去するために必要な行為です。ある程度事前に接着剤を毟って取り除き、バルブを炙り、接着剤を溶かしてできる限り排除します。
で、バルブを回そうと思いましたが、これがあまりにも硬く全く動きません。万力で固定してタンクを回そうとしても、排水口の溝にバルブを挟んで回そうとしてもビクともしません。ランタンと比べるとタンクが小さいためテコの原理が効きにくいと感じました。というわけで最終兵器を用意しました。

タンクをオイルフィルターレンチで固定し、その柄を長いモンキーで掴んで床に押し付け、バルブもモンキーで掴むことで横方向にできる限り延長することでテコの原理パワーを強化します(多分)。後はバルブ側のモンキーに全体重を掛けて押し込みます。

ここまでやってなんとかバルブを回すことが出来ました。が、叩いたり捻ったり無理な力を加えすぎたのでバルブの縁が削れています。叩かずに最初からテコの原理マシーンを使えばよかったです。

正常なバルブと比較すると違いが一目瞭然ですね。変形防止のためにバルブの中に入るステムを除去せずに取り外しましたが、ステムを抜いて空洞状態だったら力が掛かりすぎて変形していたかもしれません。

ここまでしてタンクからバルブを取り外したのはフューエルニードルガスケットを交換するためです。ここが劣化するとノブをOFFにしてもガソリンが止まらず非常に危険です。
このガスケットは(バレルのガスケットもですが)奥まった位置に嵌まり込んでいるため、除去する際はバーナーで燃やして焦がしたほうが早いです。除去後は新しいガスケットに交換しました。

バルブが抜けたのでタンク内部を確認します。錆はありませんが、底部に腐ったガソリンが固着しています。剥がれて詰まったりされても困るのでできる限り取り除きます。
M-1950ストーブは給油口が裏に伸ばしがあるのでひっくり返すだけだとガソリンが抜けきらない構造です。スポイトなどでガソリンをすべて取り除き、こうならないように注意したいですね。
というわけでM-1950ストーブ(1952)の分解でした。見た感じ破損は無かったので組み立てて上手く動作するか確認してみます。今回はここらへんで終わります。
2023年04月09日
Rogers Akron M-1950 Stove (1966) 1 外観レビュー
Rogers Akron社製のM1950ストーブを入手しました。1966年製のかなり古い個体です。

分解したものの組み立てができなくなった訳あり品とのことです。後はジェネレーターロッドが欠品でノブが割れています。
まずは各部の形状を見ていきます。

ゴトクは折りたたみ式です。収納時はバーナーシールドのツメに引っかかって固定されています。焦げや煤の付着がなく、未使用品のように見えます。


展開時はゴトク端部の突起をバーナーシールドの溝に引っ掛けます。ある程度遊びがあり、がっしり固定される感じではないですね。
米軍のマウンテンクックセットに対応しているということもあり、本体よりも大きな鍋なども載せることができます。


タンク底面には折りたたみ式の足がついています。

特徴としては足の内部にスプリングワッシャーが仕込まれており(左)、足を動かしても常にテンションがかかります。何も入っていない個体(右)と比較すると足がプラプラしません。

ポンプは特にロック機構などはなく。引っ張って押すだけのシンプルな構造です。

プランジャーの経が太いのは予備パーツ入れになっているからです。蓋を回すとアクセス可能です。

ポンプ自体を回すことでユニットごと取り外すことができます。この開口部が給油口を兼ねています。

ポンプ先端の突起部はエアチェックです。内部にバネと栓が入っており、バネが栓を押し付けてガソリンの逆流を防いでいます。

ケースはアルミ製で非常にシンプルです。溝に沿って蓋を嵌め、ねじることでロックされます。

蓋にはUSマークと製造者と製造年の刻印があります。


サイズ感はぴったりといった感じですが、若干余裕があって固定はされません。上下左右に動いてタンクの塗装やケースに傷が付きそうな印象です。
と言った感じで全体的に状態は悪くないですが、タンクとバルブの接合部が焦げています。

出品者いわく分解してポンプアッセンブリー、フューエルチェックニードル、エアチェックポンプのガスケットをそれぞれ交換済みとのことで、その際にバーナーで炙った跡のようです。

ノブの真下にはインストラクションと注意書きのデカールが貼り付けられていますが、こちらも炙った際の熱で溶けてしまっていますね。

また、ノブは割れているものを瞬間接着剤(?)で固定されています。

使用はできそうですが、流石にどうかと思うので手持ちの割れていないノブに交換しました。
というわけで分解前に外観を確認しました。57年ぐらい前の個体にしては状態は良いかなと思います。後は内部を確認して組み立てたいところです。今回はここらへんで終わります。

分解したものの組み立てができなくなった訳あり品とのことです。後はジェネレーターロッドが欠品でノブが割れています。
まずは各部の形状を見ていきます。

ゴトクは折りたたみ式です。収納時はバーナーシールドのツメに引っかかって固定されています。焦げや煤の付着がなく、未使用品のように見えます。


展開時はゴトク端部の突起をバーナーシールドの溝に引っ掛けます。ある程度遊びがあり、がっしり固定される感じではないですね。
米軍のマウンテンクックセットに対応しているということもあり、本体よりも大きな鍋なども載せることができます。


タンク底面には折りたたみ式の足がついています。

特徴としては足の内部にスプリングワッシャーが仕込まれており(左)、足を動かしても常にテンションがかかります。何も入っていない個体(右)と比較すると足がプラプラしません。

ポンプは特にロック機構などはなく。引っ張って押すだけのシンプルな構造です。

プランジャーの経が太いのは予備パーツ入れになっているからです。蓋を回すとアクセス可能です。

ポンプ自体を回すことでユニットごと取り外すことができます。この開口部が給油口を兼ねています。

ポンプ先端の突起部はエアチェックです。内部にバネと栓が入っており、バネが栓を押し付けてガソリンの逆流を防いでいます。

ケースはアルミ製で非常にシンプルです。溝に沿って蓋を嵌め、ねじることでロックされます。

蓋にはUSマークと製造者と製造年の刻印があります。


サイズ感はぴったりといった感じですが、若干余裕があって固定はされません。上下左右に動いてタンクの塗装やケースに傷が付きそうな印象です。
と言った感じで全体的に状態は悪くないですが、タンクとバルブの接合部が焦げています。

出品者いわく分解してポンプアッセンブリー、フューエルチェックニードル、エアチェックポンプのガスケットをそれぞれ交換済みとのことで、その際にバーナーで炙った跡のようです。

ノブの真下にはインストラクションと注意書きのデカールが貼り付けられていますが、こちらも炙った際の熱で溶けてしまっていますね。

また、ノブは割れているものを瞬間接着剤(?)で固定されています。

使用はできそうですが、流石にどうかと思うので手持ちの割れていないノブに交換しました。
というわけで分解前に外観を確認しました。57年ぐらい前の個体にしては状態は良いかなと思います。後は内部を確認して組み立てたいところです。今回はここらへんで終わります。
2023年02月12日
Fiesta M-1950 Stove (1981) 2 分解/組み立て/点火
さて、前回の気密テストの結果からフューエルチェックニードルガスケットが劣化してるらしいことがわかったM1950ストーブの修理を続けていこうと思います。

その前にフューエルチェックニードルガスケットの役割ですが、これはインジケーティングノブがオフの時にバネの力で弁を閉じてガソリンがそれ以上流れないように蓋をします。
その際にガスケットが劣化しているとノブをいくらオフにしても隙間からガソリンが出るので消化できません。なので前回もノブをオフにした状態なのに圧縮された空気の流れが止まらず石鹸水の泡が発生していました。この状態でテスト点火せずに良かったです。
というわけでM1950を更に分解していきます。フューエルチェックニードルガスケットを交換するにはタンクからバレルを抜き取らなければいけません。

前回はモンキーレンチとドライバーだけでパーツ交換ができましたが、今回は他にも工具が必要になります。というわけでベルトレンチと追加のモンキーレンチを用意しました。

まずはマイナスネジ3本で固定されているバーナーシールドを取り外しました。

取り外したバーナーシールドです。折りたたみ式の五徳があり、本体よりも大きな鍋なども保持することができます。
本題とは関係ないですが、ついでに五徳を矯正してカタカタ鳴らないようにしています。

インジケーティングノブを取り外し(取り外さないと邪魔でバルブが回りません)、ベルトレンチでタンクを固定した状態でモンキーレンチでバルブをつかんで体重を掛けます。
本来は非常に硬くバーナーで焼いたり卓上万力で固定するような作業が必要らしいですが、今回はこれで分解できました。分解した形跡があるのでその際に前オーナーが強く締めすぎないようにしていたのかもしれません。

取り出したバルブユニットです。バルブを中心に上部にジェネレーター、下部にフューエルチェックニードルが一体となって配置されています。

フューエルチェックニードルガスケットを交換するにはバルブの下部に取り付けてあるエアアンドフューエルチューブを取り外す必要があります。

バルブとチューブにそれぞれモンキーレンチを噛ませて回すことで2パーツに分解することができます。

フューエルチェックニードルガスケットが姿を表しました。フューエルチェックニードルの根本にはめ込む形で取り付けられています。
前回のガスケットのようにこちらもはめ込み式なので硬化していると全然取ることが出来ません。こちらもフューエルチェックニードルを取り出した状態でコンロの火で焦がしてドライバーでほじくり出して交換しました。
交換後は同じように組み立てていきますが、バルブとタンクの接合部にはシールテープを巻いています。液体ガスケットも選択肢にありますが、厚みで位置を調整できるシールテープを選びました。

組み立て前にタンク内部にサビや穴、クラックがないかを確認します。見た感じ錆はありません。このタンクの状態は良さそうですね。

バルブとポンプアッセンブリーだけを取り付けた状態でポンピングしてタンクを加圧し、全開同様に石鹸水で問題がないことを確認します。今回はインジケーティングノブがオフの状態ではちゃんと空気漏れがなくなっていました。やはりパッキンの劣化が問題だったようです。

石鹸水を洗い流して乾燥させ、外していた五徳をとりつけました。カタカタするのでワッシャーを入れたほうが良さそうな気がします。

最後にインジケーティングノブを取り付けて完成です。

組み立てしていて気づきましたが、本来ノブが回らないところまで回っていますね。範囲を制限するためにバーナーシールドから伸びているはずの棒がありません。根本で折れているようです。まあ、気をつければ使用に問題はなさそうです。
さて、気密テストで漏れがないことが確認できたので実際に点火していこうと思います。プレヒート時に結構な火が上がるので屋外にM1950ストーブを設置しました。
M1950ストーブはホワイトガソリンと赤ガスのどちらも使用できるとマニュアルにありますが、後のメンテナンスなども考えてコールマンのホワイトガソリンを使用しています。

まずは10回ポンピングを行います。空気を圧縮し、圧力でガソリンをバルブに送り込むためです。

その後はノブを3秒間開いて閉じました。これでプレヒート用のガソリンがカップに入りました。


プレヒートカップに火をつけます。マニュアルだとマッチを使用するみたいですが、首が長いライターを使いました。

炎が青くなった後はノブを全開にし、更に追加で10回ポンピングしてタンク内の圧力を維持します。
というわけで無事に点火しました。本格的に燃焼が始まるとわりと大きな音になり、迫力があります。

テスト点火が目的だったので他に何も準備していませんでしたが、せっかくなのでケースに水を入れて載せてみました。思っていたよりもすぐに沸騰します。サイズの割に結構火力が強いですね。
ストーブをオフにするにはインジケーティングノブを右端まで回してガソリンを遮断するとしばらくして火が消えます。
余談ですが、燃焼状態ではバーナーの熱でタンク内のガソリンを蒸発させることで加圧し続ける構造なので燃料を抜くためにキャップを開けるとガソリンが吹き出ることがあります。危険なので完全に火が消えるのを待ったほうが安心ですね。
というわけでM1950ストーブでした。通常使いにも問題なさそうですし、キャンプなどに持ち込んでラーメンを作ったりご飯を炊いたりしたいところです。
その前にフューエルチェックニードルガスケットの役割ですが、これはインジケーティングノブがオフの時にバネの力で弁を閉じてガソリンがそれ以上流れないように蓋をします。
その際にガスケットが劣化しているとノブをいくらオフにしても隙間からガソリンが出るので消化できません。なので前回もノブをオフにした状態なのに圧縮された空気の流れが止まらず石鹸水の泡が発生していました。この状態でテスト点火せずに良かったです。
というわけでM1950を更に分解していきます。フューエルチェックニードルガスケットを交換するにはタンクからバレルを抜き取らなければいけません。

前回はモンキーレンチとドライバーだけでパーツ交換ができましたが、今回は他にも工具が必要になります。というわけでベルトレンチと追加のモンキーレンチを用意しました。

まずはマイナスネジ3本で固定されているバーナーシールドを取り外しました。

取り外したバーナーシールドです。折りたたみ式の五徳があり、本体よりも大きな鍋なども保持することができます。
本題とは関係ないですが、ついでに五徳を矯正してカタカタ鳴らないようにしています。

インジケーティングノブを取り外し(取り外さないと邪魔でバルブが回りません)、ベルトレンチでタンクを固定した状態でモンキーレンチでバルブをつかんで体重を掛けます。
本来は非常に硬くバーナーで焼いたり卓上万力で固定するような作業が必要らしいですが、今回はこれで分解できました。分解した形跡があるのでその際に前オーナーが強く締めすぎないようにしていたのかもしれません。

取り出したバルブユニットです。バルブを中心に上部にジェネレーター、下部にフューエルチェックニードルが一体となって配置されています。

フューエルチェックニードルガスケットを交換するにはバルブの下部に取り付けてあるエアアンドフューエルチューブを取り外す必要があります。

バルブとチューブにそれぞれモンキーレンチを噛ませて回すことで2パーツに分解することができます。

フューエルチェックニードルガスケットが姿を表しました。フューエルチェックニードルの根本にはめ込む形で取り付けられています。
前回のガスケットのようにこちらもはめ込み式なので硬化していると全然取ることが出来ません。こちらもフューエルチェックニードルを取り出した状態でコンロの火で焦がしてドライバーでほじくり出して交換しました。
交換後は同じように組み立てていきますが、バルブとタンクの接合部にはシールテープを巻いています。液体ガスケットも選択肢にありますが、厚みで位置を調整できるシールテープを選びました。

組み立て前にタンク内部にサビや穴、クラックがないかを確認します。見た感じ錆はありません。このタンクの状態は良さそうですね。

バルブとポンプアッセンブリーだけを取り付けた状態でポンピングしてタンクを加圧し、全開同様に石鹸水で問題がないことを確認します。今回はインジケーティングノブがオフの状態ではちゃんと空気漏れがなくなっていました。やはりパッキンの劣化が問題だったようです。

石鹸水を洗い流して乾燥させ、外していた五徳をとりつけました。カタカタするのでワッシャーを入れたほうが良さそうな気がします。

最後にインジケーティングノブを取り付けて完成です。

組み立てしていて気づきましたが、本来ノブが回らないところまで回っていますね。範囲を制限するためにバーナーシールドから伸びているはずの棒がありません。根本で折れているようです。まあ、気をつければ使用に問題はなさそうです。
さて、気密テストで漏れがないことが確認できたので実際に点火していこうと思います。プレヒート時に結構な火が上がるので屋外にM1950ストーブを設置しました。
M1950ストーブはホワイトガソリンと赤ガスのどちらも使用できるとマニュアルにありますが、後のメンテナンスなども考えてコールマンのホワイトガソリンを使用しています。
まずは10回ポンピングを行います。空気を圧縮し、圧力でガソリンをバルブに送り込むためです。
その後はノブを3秒間開いて閉じました。これでプレヒート用のガソリンがカップに入りました。

プレヒートカップに火をつけます。マニュアルだとマッチを使用するみたいですが、首が長いライターを使いました。
炎が青くなった後はノブを全開にし、更に追加で10回ポンピングしてタンク内の圧力を維持します。
というわけで無事に点火しました。本格的に燃焼が始まるとわりと大きな音になり、迫力があります。

テスト点火が目的だったので他に何も準備していませんでしたが、せっかくなのでケースに水を入れて載せてみました。思っていたよりもすぐに沸騰します。サイズの割に結構火力が強いですね。
ストーブをオフにするにはインジケーティングノブを右端まで回してガソリンを遮断するとしばらくして火が消えます。
余談ですが、燃焼状態ではバーナーの熱でタンク内のガソリンを蒸発させることで加圧し続ける構造なので燃料を抜くためにキャップを開けるとガソリンが吹き出ることがあります。危険なので完全に火が消えるのを待ったほうが安心ですね。
というわけでM1950ストーブでした。通常使いにも問題なさそうですし、キャンプなどに持ち込んでラーメンを作ったりご飯を炊いたりしたいところです。
2023年01月29日
Fiesta M-1950 Stove (1981) 1 分解/組み立
M1950ストーブこと"STOVE, COOKING, GASOLINE, M-1950 ONE-BURNER"を入手しました。1981と刻印があるため製造から40年以上が経過しているようです。相応に使用感があります。

2~5人ぐらいまで対応した調理器具ですが、非常に小型なので持ち運びに便利なサイズ感です。

ケースは樹脂ではなく金属で丈夫そうですが、40年間もストーブを収納していた影響か底がベコベコに変形しています。また、変形の影響かストーブの収まりが悪いです。

M1950ストーブ本体です。足と五徳はそれぞれ展開可能なのでそれなりに安定感があります。
さて、入手したからには実際に使用したいところですが、40年経過しているため各部のパッキンやポンプカップが劣化、硬化していることが考えられます。
このM1950は燃料タンクがリペイントされていたり、タンクとバルブの接合部にシールテープが巻かれたりとメンテナンスした形跡があったりするため問題ないかもしれませんが、パッキン類は重要な位置にあるため万が一破損していて燃料が逆流したりすると危険なので実際に試す前に各部の状態を見ていきたいと思います。
まず、分解していない状態では圧縮用ポンプにテンションが掛かりませんでした。この場合はポンプカップかエアーチェックポンプのガスケットが劣化していることが考えられます。

交換に必要な予備のパッキン類はセットになったリプロ品をネットで手軽に入手可能です。便利ですね。
本来、予備パーツ一式もM1950ストーブに付属しているのですが(今回は欠品していましたが)、40年前のパッキンというのはちょっと怖いのでどちらにせよこちらを購入したと思います。
この予備パーツセットには革製ポンプカップ、エアーチェックポンプガスケット、フューエルチェックニードルガスケット、ポンプアッセンブリーガスケットが入っています。
(実はパッキン類は他にもインジケーティングノブの根本に入るやつがあるのですがそれは入っていませんでした。必要な際は別に用意しようと思います。)
とりあえずポンプカップとエアーチェックポンプガスケットを交換していきます。

ポンプアッセンブリーは蓋を回すことで取り外し可能です。後述しますが、この蓋は上下で分かれているため、上部を持って回すと上部だけ取れてしまうので注意が必要です。根本を回しましょう。
ちなみにですが、タンク側のネジが錆びているとポンプアッセンブリーのガスケットと固着している場合があります。そんなときはベルトレンチなりモンキーレンチなりでガッシリつかんで回すと外れます。

取り出したポンプアッセンブリーです。

エアーチェックポンプガスケットは先端に装着されています。キャップをモンキーレンチで取り外すと姿を表しました。

これがエアーチェックポンプガスケットです。非ポンピング時にバネでポンプ側に押し付けられ、燃料がポンプ側に逆流するのを防ぎます。ここが劣化している場合、ガソリンがポンプ側に逆流するので危険です。交換後は分解時と逆の手順で組み立てて完了です。
続いてポンプカップを交換していきます。

分解前に交換時に使用するリュブリカントを用意しました。メンテにも使えるのであって損はないと思います。

キャップをねじって上下に分解します。こうすることでポンプのチューブ部分を抜き取ることが可能です。

取り出したチューブの先端にリュブリカントをなじませた新品のポンプカップを取り付けました。ここが劣化したり油切れで硬化しているとスカスカになり空気を圧縮できなくなってしまいます。プッシュオンナットではなくマイナスネジで取り付けられているため交換は容易です。
チューブを分解した時にポンプアッセンブリーのガスケットも交換します。

ポンプのバレル根本にガスケットが入っています。これは加圧時にガソリンがポンプとタンクの接合部から吹き出すのを防ぎます。はめ込み式なので硬化している際はコンロの火などで焦がして剥ぎ取るのが楽だと思います。

組み立て後は先端に指を近づけ、ポンプを前後させた時に空気がしっかり出ているか確認します。試したところ問題はなさそうです。
そしてポンプアッセンブリーをタンクに装着して完了です。ポンプを上下させると空気が圧縮されるようになりました。
あとはフューエルチェックニードルガスケットですが、これは分解が面倒なので先に気密テストを行いました。
ポンピングを行ってタンクを加圧した状態で暫く放置し、その後に石鹸水をストーブの先端とバルブに塗布して様子を見ます。いわゆるリークテストです。もし漏れがある場合は石鹸水を通して泡がブクブクと出てきます。(小さい漏れのときはきめ細かい泡、大きい漏れのときは大きな泡が出てきます。)
そして確認の結果、やはり先端から空気の漏れが確認されました。これはフューエルチェックニードルガスケットが劣化していることが原因と考えられます。更に分解しないといけないようです。
逆にバルブのインジケーティングノブ側からの漏れはありませんでした。ここが漏れていた場合はパッキンを自作しないといけなかったのでラッキーでした。
というわけで次回はフューエルチェックニードルガスケットを交換してテストしていこうと思います。今回はここらへんで終わります。

2~5人ぐらいまで対応した調理器具ですが、非常に小型なので持ち運びに便利なサイズ感です。

ケースは樹脂ではなく金属で丈夫そうですが、40年間もストーブを収納していた影響か底がベコベコに変形しています。また、変形の影響かストーブの収まりが悪いです。

M1950ストーブ本体です。足と五徳はそれぞれ展開可能なのでそれなりに安定感があります。
さて、入手したからには実際に使用したいところですが、40年経過しているため各部のパッキンやポンプカップが劣化、硬化していることが考えられます。
このM1950は燃料タンクがリペイントされていたり、タンクとバルブの接合部にシールテープが巻かれたりとメンテナンスした形跡があったりするため問題ないかもしれませんが、パッキン類は重要な位置にあるため万が一破損していて燃料が逆流したりすると危険なので実際に試す前に各部の状態を見ていきたいと思います。
まず、分解していない状態では圧縮用ポンプにテンションが掛かりませんでした。この場合はポンプカップかエアーチェックポンプのガスケットが劣化していることが考えられます。

交換に必要な予備のパッキン類はセットになったリプロ品をネットで手軽に入手可能です。便利ですね。
本来、予備パーツ一式もM1950ストーブに付属しているのですが(今回は欠品していましたが)、40年前のパッキンというのはちょっと怖いのでどちらにせよこちらを購入したと思います。
この予備パーツセットには革製ポンプカップ、エアーチェックポンプガスケット、フューエルチェックニードルガスケット、ポンプアッセンブリーガスケットが入っています。
(実はパッキン類は他にもインジケーティングノブの根本に入るやつがあるのですがそれは入っていませんでした。必要な際は別に用意しようと思います。)
とりあえずポンプカップとエアーチェックポンプガスケットを交換していきます。

ポンプアッセンブリーは蓋を回すことで取り外し可能です。後述しますが、この蓋は上下で分かれているため、上部を持って回すと上部だけ取れてしまうので注意が必要です。根本を回しましょう。
ちなみにですが、タンク側のネジが錆びているとポンプアッセンブリーのガスケットと固着している場合があります。そんなときはベルトレンチなりモンキーレンチなりでガッシリつかんで回すと外れます。

取り出したポンプアッセンブリーです。

エアーチェックポンプガスケットは先端に装着されています。キャップをモンキーレンチで取り外すと姿を表しました。

これがエアーチェックポンプガスケットです。非ポンピング時にバネでポンプ側に押し付けられ、燃料がポンプ側に逆流するのを防ぎます。ここが劣化している場合、ガソリンがポンプ側に逆流するので危険です。交換後は分解時と逆の手順で組み立てて完了です。
続いてポンプカップを交換していきます。

分解前に交換時に使用するリュブリカントを用意しました。メンテにも使えるのであって損はないと思います。

キャップをねじって上下に分解します。こうすることでポンプのチューブ部分を抜き取ることが可能です。

取り出したチューブの先端にリュブリカントをなじませた新品のポンプカップを取り付けました。ここが劣化したり油切れで硬化しているとスカスカになり空気を圧縮できなくなってしまいます。プッシュオンナットではなくマイナスネジで取り付けられているため交換は容易です。
チューブを分解した時にポンプアッセンブリーのガスケットも交換します。

ポンプのバレル根本にガスケットが入っています。これは加圧時にガソリンがポンプとタンクの接合部から吹き出すのを防ぎます。はめ込み式なので硬化している際はコンロの火などで焦がして剥ぎ取るのが楽だと思います。

組み立て後は先端に指を近づけ、ポンプを前後させた時に空気がしっかり出ているか確認します。試したところ問題はなさそうです。
そしてポンプアッセンブリーをタンクに装着して完了です。ポンプを上下させると空気が圧縮されるようになりました。
あとはフューエルチェックニードルガスケットですが、これは分解が面倒なので先に気密テストを行いました。
ポンピングを行ってタンクを加圧した状態で暫く放置し、その後に石鹸水をストーブの先端とバルブに塗布して様子を見ます。いわゆるリークテストです。もし漏れがある場合は石鹸水を通して泡がブクブクと出てきます。(小さい漏れのときはきめ細かい泡、大きい漏れのときは大きな泡が出てきます。)
そして確認の結果、やはり先端から空気の漏れが確認されました。これはフューエルチェックニードルガスケットが劣化していることが原因と考えられます。更に分解しないといけないようです。
逆にバルブのインジケーティングノブ側からの漏れはありませんでした。ここが漏れていた場合はパッキンを自作しないといけなかったのでラッキーでした。
というわけで次回はフューエルチェックニードルガスケットを交換してテストしていこうと思います。今回はここらへんで終わります。