2021年02月28日
Wiley X SG-1 旧モデル考察
Wiley XのSG-1。00年代前半の米軍でしばしば使用例を見かけるアイウェアです。

写真は03年DESERT RESCUE XIのSEAL隊員ですが、首にゴーグル状態へ換装したSG-1を装備しています。他にも以前記事にした同年の第2歩兵師団でも使用されてましたね。

特徴としてはレンズをクリア/スモーク(及びその他)へ交換可能である点、そしてテンプルとバンドを交換することでシューティンググラス/ゴーグルの両方に対応可能な点が挙げられます。

それ以外にもレンズ周りにクッションがあったり、デフォルトでは鼻あてが付属してなかったりとかなりユニークなアイウェアです。

レンズ裏のモコモコしてる部分がクッションです。凸凹してるので、一部の凸だけ切り取って通気性を良くしたりといったカスタムも可能です。
テンプル側面には銀色のブランドロゴが取り付けられています。

同社の旧型Saberとかだと側面ロゴが白いプリントなのですが、SG-1のような別パーツだと雰囲気がありますね。
このSG-1は初期アフの写真でも使用例をちょくちょく見かけます。動画でも自分が度々触れている"Taliban Patrol"にそれらしい個体の使用例が登場します。35:42秒辺りですね。ゴーグルのバンドに社名らしき白文字ロゴ+艶ありボディでレンズ周りが飛び出てますしSG-1ぽいなと睨んでいます。
(Taliban Patrolについては4039さんが非常に深く考察されています。(4039さん何度も申し訳ありません……))
正確な発売年は不明ですが、当時の公式サイトだと01年4月を境に"新しい最先端のアイウェア"を謳い登場しているのと見るにここらへんではないかと思われます。これだと初期アフにも間に合いそうですね。日本においてはコンバットマガジン2001年10月号の広告ページにその姿があったため01年中には国内に入ってきていたようです。
そんなSG-1ですが、以前触れたように艶有りボディと艶なしボディの2種類が存在しています。いつ頃切り替わったかについてですが、この前その件をツイッターで話しているとワイリーXの公式アカウントからリプライが飛んできました。
なんと中の人が当時の開発に携わっており、06年に日本限定モデルとしてつや消しをリリースし08年に米軍採用品もつや消しにチェンジしたとのことでした。非常に貴重な情報です(本当にありがとうございました)。となると、08年以前の米軍装備に合わせるならやはり艶有りモデルの方が良さそうですね。

(因みにですが、これがSG-1 ver Jです。日本向けにノーズパッドを備え、砕けやすかったフレームが改良され、色もつや消しになるなどかなりブラッシュアップされています。)
それでは今回の本題に入っていきます。艶あり時代のSG-1についてです。

左右共に艶あり時代の旧SG-1ですが、比較してみると微妙に外観が異なりました。左のモデルは耳あて部分が右よりも曲がっており、更には先セル先端が若干尖っています。

テンプル部分だけを取り外しました。上が先程の画像での左の個体、下が右の個体のものです。並べるとかなり違いがあることが分かりますね。
というわけで、今回はこの形状の異なる2つの個体について書いていこうと思います。以下、便宜上先セルが尖ってる方をカクカク個体、丸い方をラウンド個体とします。
どちらが古いかは簡単でした。内側の印字にはっきり記載されています。

上がカクカク個体、下がラウンド個体です。Pat pendとPat used。改良前後で特許取得してますね。特許番号で検索すると"USD467262S1"が出てきました。アメリカの意匠特許です。掲載されてる画像はSG-1そのもので、公開は02年12月でした。
となるとカクカク個体は02年12月より前に生産されていたモデルであると考えられます。というより、特許申請時のSG-1のスケッチや02年当時の公式サイトの商品画像を見ると先セル端部は尖っているので、初期はカクカク個体だったようです。
ただ、Ebayでラウンド個体であるにも関わらず特許申請中印字の個体を見かけたので、カクカクからラウンドへは特許取得前に改良されていたようです。

また、テンプルについてはヒンジ付近の根本部分も微妙に構造が異なります。改良後の個体のほうが微妙に肉厚です。断面を見るとパーティングラインが異なるため、テンプルは根本部分から新規に作り直したようです。
改良前後の個体を掛けてたり試着してみましたが、特に改良前の個体が使いにくいといった感触はありませんでした。むしろ、改良後の個体のほうがテンプルとバンドを交換する際の爪が非常に硬くスムーズな着脱が困難に感じます。改良前の個体は軽い力でテンプルが外れるので交換しやすいです。その点は改良前のほうが良いですね。
何が良いのかといえば、これはSG-1の構造上の弱点に由来します。SG-1はテンプルの根本に爪を引っ掛けて固定する構造ですが、無理に引っ張ると容易に壊れます。余計な力が必要ではない改良前の個体のほうが交換時にハラハラせずに済んで精神的に優しいです。

このSG-1はおでこに上げてたのを目の高さまでおろそうと引っ張ったら砕けた先代です。まあ、この弱点は現行品ではフレームの材質を変更することで改善されたそうです。
もしも本体の不具合による改良でないとしたら、考えられる理由はANSI Z87.1の改定です。2003年になるとアメリカのJIS規格的立ち位置のANSI Z87.1(アイウェアの規格)がZ87.1-2003へ改正されました。
そのZ87.1はレンズだけでなくフレームも検査の対象となります。そのため、新たな規格でテストを行う際にテンプルを新造したということなのかもしれません……。まあ、憶測の域を出ない話で真相は闇の中ですね。

(余談ですが、改良により長くなったテンプルは折りたたむとレンズを直撃します。傷が付くので保管時は注意が必要だったりします。)
他の違いといえば、改良前個体はレンズが無刻印でフレームにZ87.1の印字があるのに対し、改良後の個体はレンズにZ87+でフレームにZ87-2の印字があります。これはANSI 87.1-2003に合わせた変更だと思われます。この表記の変更がいつ頃からなのかは分かりませんが、2003年付近と思われるのでこのあたりの年代でこだわる場合は注意が必要かもしれません。

まあ、基本的にわかりやすい違いはテンプルに集中しているので、バンドに変更してしまえば分かりませんが……。レンズの刻印も非常に小さいので遠くからではまず見えません。使用例もゴーグル状態が多いですし、ゴーグル状態で運用するのであれば、そこまで気にするポイントではないのかもしれませんね。

ゴーグル仕様のSG-1を装備に合わせてみました。ツヤツヤしてたりロゴが派手だったりと民生品感のある小物があるとオールド感が出て良いのではないかなと思います。壊れやすいのでサバゲに使うかといえば悩みますが、コレクションとして活用していきたいところですね。
今回はここらへんで終わります。

写真は03年DESERT RESCUE XIのSEAL隊員ですが、首にゴーグル状態へ換装したSG-1を装備しています。他にも以前記事にした同年の第2歩兵師団でも使用されてましたね。

特徴としてはレンズをクリア/スモーク(及びその他)へ交換可能である点、そしてテンプルとバンドを交換することでシューティンググラス/ゴーグルの両方に対応可能な点が挙げられます。

それ以外にもレンズ周りにクッションがあったり、デフォルトでは鼻あてが付属してなかったりとかなりユニークなアイウェアです。

レンズ裏のモコモコしてる部分がクッションです。凸凹してるので、一部の凸だけ切り取って通気性を良くしたりといったカスタムも可能です。
テンプル側面には銀色のブランドロゴが取り付けられています。

同社の旧型Saberとかだと側面ロゴが白いプリントなのですが、SG-1のような別パーツだと雰囲気がありますね。
このSG-1は初期アフの写真でも使用例をちょくちょく見かけます。動画でも自分が度々触れている"Taliban Patrol"にそれらしい個体の使用例が登場します。35:42秒辺りですね。ゴーグルのバンドに社名らしき白文字ロゴ+艶ありボディでレンズ周りが飛び出てますしSG-1ぽいなと睨んでいます。
(Taliban Patrolについては4039さんが非常に深く考察されています。(4039さん何度も申し訳ありません……))
正確な発売年は不明ですが、当時の公式サイトだと01年4月を境に"新しい最先端のアイウェア"を謳い登場しているのと見るにここらへんではないかと思われます。これだと初期アフにも間に合いそうですね。日本においてはコンバットマガジン2001年10月号の広告ページにその姿があったため01年中には国内に入ってきていたようです。
そんなSG-1ですが、以前触れたように艶有りボディと艶なしボディの2種類が存在しています。いつ頃切り替わったかについてですが、この前その件をツイッターで話しているとワイリーXの公式アカウントからリプライが飛んできました。
なんと中の人が当時の開発に携わっており、06年に日本限定モデルとしてつや消しをリリースし08年に米軍採用品もつや消しにチェンジしたとのことでした。非常に貴重な情報です(本当にありがとうございました)。となると、08年以前の米軍装備に合わせるならやはり艶有りモデルの方が良さそうですね。

(因みにですが、これがSG-1 ver Jです。日本向けにノーズパッドを備え、砕けやすかったフレームが改良され、色もつや消しになるなどかなりブラッシュアップされています。)
それでは今回の本題に入っていきます。艶あり時代のSG-1についてです。

左右共に艶あり時代の旧SG-1ですが、比較してみると微妙に外観が異なりました。左のモデルは耳あて部分が右よりも曲がっており、更には先セル先端が若干尖っています。

テンプル部分だけを取り外しました。上が先程の画像での左の個体、下が右の個体のものです。並べるとかなり違いがあることが分かりますね。
というわけで、今回はこの形状の異なる2つの個体について書いていこうと思います。以下、便宜上先セルが尖ってる方をカクカク個体、丸い方をラウンド個体とします。
どちらが古いかは簡単でした。内側の印字にはっきり記載されています。

上がカクカク個体、下がラウンド個体です。Pat pendとPat used。改良前後で特許取得してますね。特許番号で検索すると"USD467262S1"が出てきました。アメリカの意匠特許です。掲載されてる画像はSG-1そのもので、公開は02年12月でした。
となるとカクカク個体は02年12月より前に生産されていたモデルであると考えられます。というより、特許申請時のSG-1のスケッチや02年当時の公式サイトの商品画像を見ると先セル端部は尖っているので、初期はカクカク個体だったようです。
ただ、Ebayでラウンド個体であるにも関わらず特許申請中印字の個体を見かけたので、カクカクからラウンドへは特許取得前に改良されていたようです。

また、テンプルについてはヒンジ付近の根本部分も微妙に構造が異なります。改良後の個体のほうが微妙に肉厚です。断面を見るとパーティングラインが異なるため、テンプルは根本部分から新規に作り直したようです。
改良前後の個体を掛けてたり試着してみましたが、特に改良前の個体が使いにくいといった感触はありませんでした。むしろ、改良後の個体のほうがテンプルとバンドを交換する際の爪が非常に硬くスムーズな着脱が困難に感じます。改良前の個体は軽い力でテンプルが外れるので交換しやすいです。その点は改良前のほうが良いですね。
何が良いのかといえば、これはSG-1の構造上の弱点に由来します。SG-1はテンプルの根本に爪を引っ掛けて固定する構造ですが、無理に引っ張ると容易に壊れます。余計な力が必要ではない改良前の個体のほうが交換時にハラハラせずに済んで精神的に優しいです。

このSG-1はおでこに上げてたのを目の高さまでおろそうと引っ張ったら砕けた先代です。まあ、この弱点は現行品ではフレームの材質を変更することで改善されたそうです。
もしも本体の不具合による改良でないとしたら、考えられる理由はANSI Z87.1の改定です。2003年になるとアメリカのJIS規格的立ち位置のANSI Z87.1(アイウェアの規格)がZ87.1-2003へ改正されました。
そのZ87.1はレンズだけでなくフレームも検査の対象となります。そのため、新たな規格でテストを行う際にテンプルを新造したということなのかもしれません……。まあ、憶測の域を出ない話で真相は闇の中ですね。

(余談ですが、改良により長くなったテンプルは折りたたむとレンズを直撃します。傷が付くので保管時は注意が必要だったりします。)
他の違いといえば、改良前個体はレンズが無刻印でフレームにZ87.1の印字があるのに対し、改良後の個体はレンズにZ87+でフレームにZ87-2の印字があります。これはANSI 87.1-2003に合わせた変更だと思われます。この表記の変更がいつ頃からなのかは分かりませんが、2003年付近と思われるのでこのあたりの年代でこだわる場合は注意が必要かもしれません。

まあ、基本的にわかりやすい違いはテンプルに集中しているので、バンドに変更してしまえば分かりませんが……。レンズの刻印も非常に小さいので遠くからではまず見えません。使用例もゴーグル状態が多いですし、ゴーグル状態で運用するのであれば、そこまで気にするポイントではないのかもしれませんね。

ゴーグル仕様のSG-1を装備に合わせてみました。ツヤツヤしてたりロゴが派手だったりと民生品感のある小物があるとオールド感が出て良いのではないかなと思います。壊れやすいのでサバゲに使うかといえば悩みますが、コレクションとして活用していきたいところですね。
今回はここらへんで終わります。
2021年02月27日
Eagle ナイフシース デラックス

Eagleのナイフシースを入手しました。商品名は"Knife Sheath Deluxe"です。


表と裏はこのようになっています。

タグは布製の小さなタイプが縫い付けられていました。
裏側にはベルクロ式のベルトループが備えられており、ここを通すことでベルトに固定することが可能です。

ただ、写真の通り内側にはベルクロオスの縫い付けはありません。普通のデューティベルト用装具とはことなり、ベルトにガッチリ固定することはできないようです。
上部には専用のレッグエクステンダーを取り付け可能な金具が縫い付けられています。

ここに専用のエクステンダーを装備することでレッグナイフシースとして使用することも可能です。
他にも接続に使用できそうな小さな鳩目やウェビングの輪っかなどが各部に点在しています。


いまいち用途ははっきりしませんが、アイディア次第で装備に取り付けができそうです。
因みにですが、脚部にシースを固定するストラップはベルクロで固定されているだけなので簡単に外れます。

腰から吊りたいだけのときはこの状態で運用するのも良さそうですね。
前面には小さなポケットが縫い付けられています。サイズとしてはハンドガンのマガジンが入る程度です。つまりライトやマルチツールなどがスムーズに入る丁度いいサイズですね。

シース内部にはカイデックスらしい樹脂が挿入されており、適度なテンションでナイフを保持することが可能です。

さらに樹脂の表面は生地でコーティングされており、ナイフを傷つけないようにできています。細かな作りですね。ここらへんがデラックスなのかもしれません。
さて、このナイフシースはKA-BAR用ということで購入しましたが、自分はKA-BARを持っていません。
KA-BARは長さ7"のため、それ以内のナイフであれば入りそうです。
というわけで入りそうなナイフを用意しました。


Buck社のロングセラーモデル"ナイトホーク"です。90年代に発売され現在も根強い人気を誇るモデルです。片刃のいかにもナイフといったワイルドな見た目に加え、グリップの一部に軟質樹脂を採用することで握りやすい面白いナイフです。00年代初期の装備を集めている方からすると01年Sealでの使用例が有名かもしれません。

650の右の刻印"\"は1994年製を示しています。Buckは毎年刻印が変わるので年代にこだわりたいマニアの心強い味方ですね。

イボイボしたところと背面の一部が柔らかい樹脂です。握り心地は悪くないですが、若干ベタベタ気味。27年前に製造されたので加水分解が始まっているようです。
純正シースは足に巻きつけるストラップなどもなくかなりシンプルですが、シース内部に樹脂製のインサートが入っており使い勝手は悪くなさそうです。



ただ、足に固定したいなら民生シースを使用していても違和感はないのかなと思います。というわけでナイトホークを入れてみます。長さは7"もありません(大体15cm程度)が、そこそこ長いので入りそうです。

入りました。グリップが太いのか留め具がやけに硬いですが、それ以外は幅も厚さもピッタリです。収まりがいいですしとくに違和感はないかなと思います。
初期アフで使用例があるナイフといえば純正シースのコールドスチールやSOGのイメージがありますが、隊員によって持ち込む私物は変わりますし、民生シースやBuckのナイフを装備に合わせても問題は無いのではないでしょうか? まあ、いい感じに活用していきたいところです。

今回はここらへんで終わります。
2021年02月14日
EAGLE トリプルマガジンポーチ いろいろ
今回はEAGLEのトリプルマガジンポーチについて書きます。

複数個ありますが、どれもベルトに取り付けるトリプルマガジンポーチなので1つに纏めました。
まずはインサートなどがないシンプルなマガジンポーチです。


左は"MPP 45/6"、右は"DMP-3"です。違いは裏面の構造で、MPP 45/6はBDUベルトなどに対応したシンプルなベルトループとアリスクリップ用のウェビング、DMP-3はデューティベルト対応のベルクロ式ループでベルトに取付可能です。

MPP 45/6は布製タグ、DMP-3は旧型の樹脂製タグです。バックルなど年代を判別する手段がないのではっきりしませんが00年代初期と90年代でしょうか。EAGLEの旧タグは古さを感じさせないデザインがいいですよね。

ベルクロ式ループの構造はBHIのBTSと同様です。内側にベルクロオスがあるので、デューティベルトや民生ピストルベルトのようなベルクロメスを備えたベルトにはガッチリと固定できる特徴があります。

肝心のポーチ部分は非常にシンプルです。ダブルカラムのM9用マガジンもしっかり収まります。

また、マガジンサイズの小物であればマルチツールやフラッシュライトのような小物も収納可能です。小物類を纏めるのにも良さそうですね。
インサートなしのマグポーチについては、他にもDMP-3の亜種でフラップの長さをマガジンの長さに合わせて変更可能な"DMP-3A"というモデルも存在しています。外見上の違いとしてはフラップにドットボタンとベロが取り付けられています。(残念ながら未入手です)
ついでに手持ちのBHIトリプルマガジンポーチと並べてみました。


左上は"デューティ ピストル マガジンポーチ(フラップ固定式)"、左下は"デューティ ピストル マガジンポーチ(フラップ可変式)"です。
表だけを見るとあんまり見分けが付きませんね……。どう使い分けるかは悩みどころです。
次は"DMP-TCS-3"です。

背面にベルクロ式ループを備え、デューティベルトを始めとした各種装備に取付可能です。

タグはMPP 45/6と同様の布タグです。これもそこそこ新しそうです。

蓋がありませんが、前面の4つのネジを締めることでマガジンにテンションが掛かり脱落を防ぐ仕組みです。なかなかユニークな構造です。
DMP-TCS-3は初期アフでODA961でV1ベスト(TAC-V1-NU-A)に取り付けていた使用例で有名なモデルですね。
また、同部隊の写真ですが右の両手を上げている隊員は腰にこのポーチを取り付けて運用していたようです。普通にベルトポーチとして初期アフ装備に使用してみるのもいいかもしれませんね。
最後は"DMP-3-FB"です。


カイデックスインサートを備えているため蓋を閉めなくてもマガジンを固定でき、尚且つ蓋を閉めることもできる二重構造のマガジンポーチです。
ただ、残念ながら自分の所有する個体は黒は3個全部、ODは右端のインサートがそれぞれ脱落しています。
そのため、オープントップとして使用できるのはODの2ポケットのみです。ODはともかく、黒の方は使うとしたらフラップを閉じて普通のマガジンポーチとして使ったほうが手っ取り早そうです。

因みにですが、黒の方はインサートがない状態で9mmのマガジンがジャストです。手持ちのクリップを入れると逆にマガジンが入らなくなったので.45のような細いマガジン用のポーチなのかなと思われます。

ODの方はクリップ込みで9mmマガジンがジャストです。こっちはM9やP226用のようです。

折角なのでBHIのタロンフレックス トリプルマガジンポーチと並べてみました。若干構造が違うのが面白いですね。使用感としてはBHIのほうが抜きやすく感じましたが個体差かもしれません。
ODA961ではカイデックス系のトリプルマガジンポーチもV1ベストに取り付けている写真が残っていますが、メーカーまではわかりませんね……。ベストに合わせてEAGLEだったのかもしれませんが、ベルトキットBHIの方もいますしなんともです。
というわけで手持ちのEAGLE(とおまけにBHI)のトリプルマガジンポーチでした。

気づいたらいろいろなマグポーチが集まっていました。ここまで来たら折角なのでDMP-3Aも入手したいところです。今回はここらへんで終わります。

複数個ありますが、どれもベルトに取り付けるトリプルマガジンポーチなので1つに纏めました。
まずはインサートなどがないシンプルなマガジンポーチです。


左は"MPP 45/6"、右は"DMP-3"です。違いは裏面の構造で、MPP 45/6はBDUベルトなどに対応したシンプルなベルトループとアリスクリップ用のウェビング、DMP-3はデューティベルト対応のベルクロ式ループでベルトに取付可能です。

MPP 45/6は布製タグ、DMP-3は旧型の樹脂製タグです。バックルなど年代を判別する手段がないのではっきりしませんが00年代初期と90年代でしょうか。EAGLEの旧タグは古さを感じさせないデザインがいいですよね。

ベルクロ式ループの構造はBHIのBTSと同様です。内側にベルクロオスがあるので、デューティベルトや民生ピストルベルトのようなベルクロメスを備えたベルトにはガッチリと固定できる特徴があります。

肝心のポーチ部分は非常にシンプルです。ダブルカラムのM9用マガジンもしっかり収まります。

また、マガジンサイズの小物であればマルチツールやフラッシュライトのような小物も収納可能です。小物類を纏めるのにも良さそうですね。
インサートなしのマグポーチについては、他にもDMP-3の亜種でフラップの長さをマガジンの長さに合わせて変更可能な"DMP-3A"というモデルも存在しています。外見上の違いとしてはフラップにドットボタンとベロが取り付けられています。(残念ながら未入手です)
ついでに手持ちのBHIトリプルマガジンポーチと並べてみました。


左上は"デューティ ピストル マガジンポーチ(フラップ固定式)"、左下は"デューティ ピストル マガジンポーチ(フラップ可変式)"です。
表だけを見るとあんまり見分けが付きませんね……。どう使い分けるかは悩みどころです。
次は"DMP-TCS-3"です。

背面にベルクロ式ループを備え、デューティベルトを始めとした各種装備に取付可能です。

タグはMPP 45/6と同様の布タグです。これもそこそこ新しそうです。

蓋がありませんが、前面の4つのネジを締めることでマガジンにテンションが掛かり脱落を防ぐ仕組みです。なかなかユニークな構造です。
DMP-TCS-3は初期アフでODA961でV1ベスト(TAC-V1-NU-A)に取り付けていた使用例で有名なモデルですね。
また、同部隊の写真ですが右の両手を上げている隊員は腰にこのポーチを取り付けて運用していたようです。普通にベルトポーチとして初期アフ装備に使用してみるのもいいかもしれませんね。
最後は"DMP-3-FB"です。


カイデックスインサートを備えているため蓋を閉めなくてもマガジンを固定でき、尚且つ蓋を閉めることもできる二重構造のマガジンポーチです。
ただ、残念ながら自分の所有する個体は黒は3個全部、ODは右端のインサートがそれぞれ脱落しています。
そのため、オープントップとして使用できるのはODの2ポケットのみです。ODはともかく、黒の方は使うとしたらフラップを閉じて普通のマガジンポーチとして使ったほうが手っ取り早そうです。

因みにですが、黒の方はインサートがない状態で9mmのマガジンがジャストです。手持ちのクリップを入れると逆にマガジンが入らなくなったので.45のような細いマガジン用のポーチなのかなと思われます。

ODの方はクリップ込みで9mmマガジンがジャストです。こっちはM9やP226用のようです。

折角なのでBHIのタロンフレックス トリプルマガジンポーチと並べてみました。若干構造が違うのが面白いですね。使用感としてはBHIのほうが抜きやすく感じましたが個体差かもしれません。
ODA961ではカイデックス系のトリプルマガジンポーチもV1ベストに取り付けている写真が残っていますが、メーカーまではわかりませんね……。ベストに合わせてEAGLEだったのかもしれませんが、ベルトキットBHIの方もいますしなんともです。
というわけで手持ちのEAGLE(とおまけにBHI)のトリプルマガジンポーチでした。

気づいたらいろいろなマグポーチが集まっていました。ここまで来たら折角なのでDMP-3Aも入手したいところです。今回はここらへんで終わります。
2021年02月13日
BLACKHAWK! Enhanced Military Butt Pack (Old Gen)

BHIのブットパックを入手しました。

裏面はこんな感じです。
タグは鳥が大きかった頃の旧タグです。

バックルも97年と比較的古いモデルとなります。
製造から20年以上から経過しているため、各部に使用されている金具には年代相応のダメージが蓄積されています。Dカンはサビサビ、鳩目も緑青まみれです。


ただ、OD特有の日焼けによる生地やバイアステープの黄変は見られません。全体的に見れば程よい使用感といったところでしょうか。装備には問題なく合わせることができるのではと思います。
あとBHIのブットパック特有のラッシュタブとドラッグハンドルがありませんが、その2つは00年付近の改良で追加された機能なので90年代のモデルである今回の個体には搭載されていません。
それでは各部を詳しく見ていきますが、折角なので米軍の官給ブットパックと見比べていきます。

左が今回のBHI製ブットパック、右が官給ブットパックです。サイズはだいたいおなじです。

因みにですが、官給品は93年コントラクトの比較的新しいロットです。
まずは前面です。パッと目につく違いは留め具の形状ですね。官給品が独特な金属製アジャスターを使用しているのに対し、BHIは普通のITW製バックルです。
比較してみるとシンプルにBHIの方が開けやすいです。官給品はスライド式の金具なので毎回ウェビングを引き抜く必要があります。使いにくいのか金具をバックルへ交換した放出品も見かけますね。
あとはBHIの方は官給と比較して縦に走るウェビングや横方向の取っ手がなくスッキリしてます。
次は側面ですが、特にこれといって大きな違いはありません。


両方ともアリスクリップに対応したウェビングが縫い付けられています。キャンティーンカバーなどを後付することができます。
次は裏面です。

やはり官給のほうが情報量が多いですね。まずはBHIの方から見ていきます。

BHIの特徴はなんと言っても強固なベルトへの固定方式です。ベルクロ式のベルトループが2つも縫い付けられているだけでなく、その両脇3箇所にはアリスクリップも取付可能です。かなりガッチリとピストルベルトに固定可能です。
あとはサスペンダーへ接続するために用いるDカンもBHIの方が大きいです。これは当時のBHIが生産していたサスペンダーがフック式ではなくウェビングをベルトに通す方式を採用しているため、それに合わせてDカンも大きくなっているのではないかなと思います。
続いて官給の方ですが、BHIに無い機能として背面のIDケースと下部のストラップがあります。

ストラップは底面をまたいでおりここにポンチョとかを通して縛り付けることができます。BHIはそれがないため下部に装備を取り付けることができません。この点は官給のほうが拡張性がありますね。
最後は内部を比較していきます。


BHI、官給共に内部にはカバーが縫い付けられています。BHIの方は上端にパラコードが仕込まれているので先を絞ることが可能です。中身の紛失対策に効果ありそうですね。
因みに、官給の内部カバーは本来ODのゴム引きですが劣化で剥がれてしまっています。ここは劣化しやすいのか、基本的に加水分解でボロボロになっています。
また、内部にはブットパックの縫い目があるのですが、BHIはその全てをバイアステープで保護しています。それに対し、官給品はかがり縫いでほつれ止めがあるだけでそれ以外は普通に生地同士を縫い合わせているだけです。


官給の放出品は底や側面の縫い目から抜けてしまっている個体をしばしば見かけますが、BHIの方は縫い目部に補強があるため比較的安心して使用できそうです。
また、官給品は全体的にペナペナの薄い生地なので縫い目関係なく破れますが、BHIは1000デニールの厚手の生地を使用しているため、そこらへんも官給より丈夫そうに感じます。
といった感じで見比べてみましたが、基本的に後発のBHI製の方が民生品なのもあって豪華ですね。
ただ、官給も負けておらず、後継モデルのFIELD PACK TRAININGの頃になると弱点だった縫い目をバイアステープで保護したり生地をコーデュラナイロンにすることで耐久性を向上し、BHI同様に内部カバーの先端を絞れるようにしたり蓋の開閉にバックルを採用したりと使いやすくなって帰ってきています。
今回はここらへんで終わります。
2021年02月12日
BLACKHAWK! Compass / First Aid Pouch (Old Tag)

今回はBHIのコンパスポーチについて書きます。ALICE装備のコンパスポーチ相当で手のひらサイズの小さなポーチです。


左がLC-1 コンパスポーチ(官給品)、右が今回のBHI製コンパスポーチです。並べてみると固定方式の違いが目を引きますね。


BHI製コンパスポーチはベルクロを用いた固定方式(BTS)に加え、追加で両脇にアリスクリップを2本もセットすることが可能です。
アリスクリップ1本のみで固定する官給品は左右にぐらつきますが、BHIの方はアリスクリップだけでも2本で固定できるのでベルトに取り付けてもポーチがぐらつきません。

内側を見てみるとドットボタン部の生地が2重になっている官給品のほうが丈夫そうに見えますが、BHIの方はポーチ全体に厚手の1000デニールのナイタネオンナイロンを使用しているためわざわざ2重にする必要がなかったのではないかといった印象です。触った感じも官給のペラペラ生地より丈夫そうに感じます。

また、BHIの方は両サイドにマチがあるため見た目よりも容量に余裕があります。コンパスや包帯以外も入りそうですし、実際当時のカタログでもハンドカフが添えられていました。小さいユーティリティポーチ的な扱いだったのかもしれませんね。


もちろん、官給のコンパスや圧縮包帯も余裕を持って収めることが可能です。

せっかくなのでベルトキットに加えてみました。なんとなく普通のコンパスポーチよりゴツく感じます。
BTSを採用しているためデューティベルトにも手軽に取付可能ですし、いろんな装備にアクセントとして合わせてみるのも面白そうです。今回はここらへんで終わります。